「バイクのメンテナンスをしたいけど、どんな方法があるのかな」
私は以前、バイクのメンテナンスがあまりわからず、乗りまくっていた経緯がありますが、今はメンテナンスしている時間の方が圧倒的に長いライダーになってしまいました。笑
バイクをこまめにメンテナンスしているからこそ、バイクのカッコよさも倍増?です。
そこで感じたのが、バイクは整備してあげることで、より楽しく、快適に乗れることを実感しています。この記事では手軽に始められるメンテナンスから始まり、最終的に個人でチェックしておきたい消耗品のチェックまでを一通り解説しています。
目次
バイクのメンテナンス方法を解説|125cc編
交換手順を大まかに記載しているので、自分でできそうかの判断の参考にしてください!星の数が多いほど、こまめなメンテナンスを必要とする項目です。
チェーンクリーニング|★★★
チェーンはこまめに掃除と給油をするのがオススメです。
1,000km or 1ヶ月に1回
不必要にオイルが溜まったチェーンは汚れを拾いやすく、ギア類の摩耗に繋がります。定期的なメンテナンスで、動きの良いチェーンを維持できます。
メンテナンス方法
必要な工具:チェーンクリーナー・チェーンブラシ(あると便利)・チェーンオイル
サビ汚れはワイヤーブラシで落としましょう
専用ブラシがやっぱり便利!
浮かせた汚れをチェーンクリーナーで洗い流します
コマが動く箇所にオイルを指します。
チェーンはまとめて一回でやろうとすると、汚れがなかなか落ちなかったり、動きの鈍さが改善されなかったりするので、できる限りマメにメンテナンスを行うのが良いです!
チェーンメンテナンスは下記で詳しく解説しています。
バイクのチェーン掃除にワコーズ製品を使う理由レビュー!洗浄・張り調整メンテナンスを怠るとギアの消耗が激しくなる
チェーンの給油を怠ると動きが鈍くなり、燃費にも影響するほどまでにひどくなると、チェーンに繋がってるスプロケット(ドリブン・ドライブ)の摩耗が激しくなります。
タイヤの空気圧|★★★
タイヤの空気は徐々に減るため、定期的な補充をしてあげる必要があります。
1,000km or 1ヶ月に1回
空気が少ないと、下記の症状が現れます。
- カーブ時に挙動が安定しない
- 真っ直ぐ走りにくくなる
出発前には必ず点検して、楽しいツーリングにしましょう!
点検方法
バルブにエアゲージを押し当てるだけ!
点検はエアゲージで行います。バルブに押し当てることで、タイヤに入っている空気圧を測定することができます。
メンテナンス方法
必要な工具:空気入れ
自転車用のポンプでも空気を入れることが可能です。
車種により指定空気圧は異なります。空気圧は車体に記載があり、チェーンカバーやシート裏に記載があります。タイヤのエアメンテナンスは下記で詳しく解説しています。
バイクの空気圧チェックを怠ると最悪は破裂!【確認方法と手段】空気入れを怠ると最悪バーストする
低圧の状態で走行すると、タイヤと地面の接地面積が増えるので燃費が悪化するだけでなく、速度があがるほどタイヤがバースト(破裂)する危険性が高まります。
チェーンの張り調整|★★☆
チェーン駆動のバイクは張り調整をこまめに行う必要があります。チェーンクリーニングの際に合わせて点検しましょう!
1,000km毎に1回
伸びていなければ張り調整は不要です。伸びていた場合は張りの調整を行います。
点検方法
点検は、チェーンを上下させた時の振れ幅が2〜3cmであれば適正です。それ以上の振れ幅の場合は張り調整を行います。
メンテナンス方法
必要な工具:アクスルシャフト用メガネレンチ・メガネレンチ
ロングタイプは緩めやすいです
舐めないようにメガネレンチがオススメ!
ネジを締めこむと、チェーンの張りが強くなります
ゲージを使うとわかりやすい!
アライメントについては下記で詳しく説明しています。
張り調整を怠るとギアの破損につながる
張りが弱い状態だと、走行中にチェーンが外れる可能性があり、また張りが強いとチェーンが切れる恐れがります。バイクのチェーンはテンション調整ができないため、定期的に適度な張りにメンテナンスしてあげる必要があります
エンジンオイル交換|★★☆
エンジンオイルは下記を目安に交換が必要です。
3,000km〜5,000km
距離未達でも1年に1回は交換推奨
また、エンジンオイルは乗るたびに僅かながら減っていくので、オイルの量も点検が必要です。
点検方法
はじめにエンジンオイルの量を確認します。オイル量の確認方法は車種により異なりますが、主に2通りです。
点検窓で確認
オイルゲージで確認
オイル量の点検方法は、センタースタンド、もしくはメンテナンススタンドを使って、バイクを垂直の状態にします。エンジンをかけてしばらくアイドリングさせた後、1分ほどでエンジンを止めて、3分後を目安に点検しましょう。エンジンオイルがLowより下回っている場合、オイルを追加します。
UPPERラインとLOWERラインの間に来るようにオイルを入れます
点検は以上です!
交換方法
必要な工具:メガネレンチ・廃油ボックス・エンジンオイル
ボルトは反時計回りで外します
手が汚れないようにゴム手袋をする
ワッシャーは新しいものに交換します
車種に合わせたオイルを入れます
エンジンオイルは車種にあった粘度のエンジンオイルを入れます。オイルの種類は主に下記の3種類です。
鉱物油
部分合成油
化学合成油
この中から選んで、車種に合わせた粘度のオイルを入れます。より詳しいエンジンオイルの種類については下記で解説しています。
バイクのエンジンオイル交換をしないと発生する3つの症状とは?交換時期についてエンジンにはオイルだけでなく、フィルターの交換も必要です。より詳しいエンジンオイル交換は下記で解説しています。
バイクのエンジンオイル交換を自分で行う方法の解説!【メンテナンス】交換を怠るとエンジン内部の消耗が激しくなる
エンジンオイルは5,000km超えて交換しなかったらすぐにトラブルが発生するわけではありませんが、エンジンオイルが劣化する前に交換し、エンジン内部を保護してあげることがバイクを長く大切に乗る上でとても大切です。
ワイヤー類給油|★★☆
ワイヤーへの給油は下記を目安に行います。
10,000km or 1年に1回
ワイヤーの給油は忘れがちですが、ワイヤーが切れてしまってからでは遅いので、忘れずにメンテナンスを行いましょう!
クリーニング方法
必要な工具:プライヤー・オイル・ワイヤーインジェクター(あれば便利)
ワイヤーを外す準備です
ボルトを外せば、ワイヤーも外れます!
インジェクターで洗浄・給油します
より詳しい作業手順については下記で詳しく解説しています。
クラッチワイヤーの給油方法!お店での工賃についても解説交換を怠るとワイヤーが切れて操作不能
オイル切れを起こしたワイヤーは磨耗しやすく、最悪切れてしまいます。こうなるとアクセルを捻ってもエンジンが動かなくなってしまいます。切れる前はクラッチやアクセルの動作が非常に鈍い状況になるので、症状を感じたら給油、もしくはワイヤー交換を推奨します!
バッテリー点検|★☆☆
バッテリーのメンテナンスは、端子の汚れを落とすメンテナンスと電圧に異常がないか確認します。
10,000km or 1年に1回(密閉型の場合
点検方法
電圧の測定
検電テスターで電圧を測定します
エンジンを止めた状態で測定し、測定値が12V以上ならOKです。10Vを下回っている場合は交換を推奨します。
端子の清掃
端子はワイヤーブラシで掃除します。バッテリーを取り外すと掃除が楽です。
配線には決まった外し方があります
バッテリーに接続されている配線は必ずマイナス(黒)から外し、次にプラス(赤)を外します。取り付けは逆で、プラス(赤)→マイナス(黒)です。
車種によってはバッテリーを取り外すのが困難なモデルもあります。この場合は無理に外さず、できる範囲でワイヤーブラシで掃除すればOKです。
バッテリー液の補充
目視でバッテリー液の量を確認します。バッテリーの種類により2通りの確認方法があります。
密閉型
開放型
密閉型はバッテリー液の補充は不要ですが、開放型はバッテリー液が減っていれば補充する必要があります。
3,000km or 半年に1回(開放型の場合
バッテリー液を補充するためにバッテリーを取り外した際は、端子をワイヤーブラシで汚れを落としておきましょう。
UPPERラインとLOWERラインの間に来るようにオイルを入れます
補充を怠ると始動ができなくなります
バッテリーの電圧が下がると、イグニッションスイッチを押してもエンジン始動ができません。バッテリーは突然死んでしまう可能性があり、昨日まで動いていたのに。。なんてことはよくあることです。大切なのは、こうなる前に交換、もしくはバッテリー液補充をすることです。
バッテリーの電圧が下がっている場合は充電しましょう。下記でばバッテリーに充電する方法を紹介します。
Jackeryのバッテリーボックスを買ったら、バイクの維持がとっても楽になりましたエアフィルター点検|★☆☆
エアフィルターのクリーニングは下記を目安にメンテナンスが必要です。
湿式:3,000km
乾式:10,000km
距離未達でも1年に1回は掃除を行う
エアフィルターは綺麗な空気をエンジンに送り込む役割があるので、忘れずにクリーニングしましょう!
クリーニング方法
エアフィルターは主に2種類あります。
湿式
フィルター+オイルで
汚れを吸着
乾式
フィルターで汚れを吸着
それぞれでクリーニング方法が異なります。
中性洗剤でクリーニングした後、エアクリーナーオイルを薄く吹きかける
フィルターに振動を与えて汚れを落とします。掃除機でも可
湿式か乾式かは車種によって異なるので、バイクに合わせた方法でクリーニングします。
交換を怠ると燃費が悪くなる
エアフィルターの交換を怠ると、汚れが溜まり、新鮮な空気をエンジンに届けることができなくなります。結果、エンジン性能の低下(燃費が悪くなる)につながります。また、フィルターが劣化で破れた場合はチリやゴミがエンジン内に入り込んでしまう可能性があり、交換が必要です。
プラグ点検|★☆☆
プラグは定期的に外して、清掃をしてあげると良いです。
10,000km or 1年に1回
点検方法
必要な工具:ワイヤーブラシ、モリブデングリス
プラグキャップを外し、プラグレンチ(車載工具)でプラグを取り外します。プラグ先端の色により、良い燃焼がされているかを確認しますが、車種により判断する色は異なります。
FI車
プラグ先端が白
CAB車
プラグ先端がキツネ色
外したプラグの色が異なる場合は、異常燃焼(空気が濃かったり、薄かったり)の可能性があります。この場合の調整はバイクショップに相談することをオススメします。
クリーニング方法
外したプラグの先端はワイヤブラシで掃除します。
イリジウムプラグはワイヤーブラシでの掃除は不可です。
プラグ先端は1mmのクリアランスが正常です
もし間隔が広い(消耗して減った)場合は、ハンマー等で軽く叩いて、調整することで再使用可能です。
清掃と調整が終われば、再度取り付けます。取り付けの際は、プラグのネジ部にモリブデングリスを塗っておきましょう。これは焼きつき防止為です。125ccは単気筒でプラグが一本のため、点検が簡単ですね!
交換を怠ると燃費が悪くなる可能性がある
プラグの交換を怠ると、途端に動かなくなることはありません。しかし、プラグから出る火花の大きさが小さくなり、燃費が悪化したり、加速が鈍くなったりすることはあります。
冷却水(クーラント)交換|★☆☆
点検は1年に1回は必ず行いましょう。点検はエンジンが冷えているときに行います。
空冷のバイクには冷却システムはない為、点検は不要です。
125ccは空冷が多い為、点検不要なモデルが多いです。その分、エンジンオイルの劣化が早くなるので、オイルの点検はよりこまめに行いましょう。
補充を怠るとエンジンがオーバーヒートする
冷却水は規定量より少ないとオーバーヒートを起こす原因となります。
以上個人でできるメンテナンスリストでした!この他にも、バイクの洗車をしながら、上記の点検を同時に行うことで、消耗品の交換に気づいたり、オイル漏れなどの不具合を発見するきっかけにもなります。
工具が必要|保安部品メンテナンス編
保安部品はバイクを安全に走らせるための重要な部品です。整備不良が起こると重大な事故になりかねませんので、バイクショップでの整備を推奨します。
ブレーキフルード交換
ブレーキフルードは定期的な交換が推奨されています。
10,000km or 2年に1回
ブレーキフルードメンテナンスは下記で詳しく解説しています。
【メンテナンス】ブレーキフルードを交換「一人で行う場合の便利工具」交換を怠るとブレーキ性能に影響する
ブレーキフルードを2年で交換しない場合、ブレーキのタッチが徐々に悪くなっていきます。最終的にはブレーキレバーをしっかり握っても効きが悪くなっていきますので、定期的な交換が必須です。
ブレーキパッド交換(残量チェックは定期的に!)
ブレーキパッドは定期的に残量を確認し、減っていれば交換します。
溝の残量が2mm以下なら要交換です。
ブレーキパッドの交換時期については下記で詳しく解説しています。
バイクのブレーキパッドの交換時期は金属音が鳴ってでは遅い【交換工賃の解説】交換を怠るとでディスクもダメにする
ブレーキパッドはパッドの部分でディスクを挟んでバイクを止めますが、パッドがなくなると金属でディスクを止める形になります。結果異音が発生し、ディスクに重大な傷を与え、あらゆる部品を交換しなくてはならなくなりますので注意が必要です。
走り出す前に確認しよう!
ヘッドライト、テールランプ、ウィンカーの点灯確認
リアは確認しずらいので、要チェックです
それぞれのライトが点灯するか確認します。特にリアは電球切れに気付きにくいので、乗車前に確認しておきましょう!
ブレーキの踏み応え
フロント・リアのブレーキタッチを確認!
フロントブレーキ、およびリアブレーキをかけた状態で押し引きして、動かないかどうかを確認してください。
ミラーの緩み確認
緩むと、調整が難しいです
ミラーに軽く手を添えて、動かないか確認します。もし動いてしまった場合はナットを締めてミラーを固定します。
長期保管の手順はこちら
隅々まで行いましょう!
給油しないとサビが発生しやすくなります
必須ではありませんが、推奨されています
タンク内は錆びやすいです
キャブ内に残ったガソリンは腐敗しやすいです
長期保管中も充電なりは必要です
タイヤのためにも推奨されます
汚れが溜まらないようにするためです。
手順①:洗車しよう
洗車することで、汚れの固着を防ぐことの目的はありますが、同時に部品の消耗具合やオイル漏れ等を確認できる良い機会でもあります。
まずは保管前に隅々までしっかり掃除をして、バイクの状態を把握しておきましょう!
洗車には推奨の手順があります。併せてご覧ください。
【メンテナンス】バイクの洗車に使う道具と方法のまとめ手順②:各部に給油しておこう
可動部に潤滑剤を差すのは、動きそうな場所にオイルを差したり、ボルトのグリスアップを行えば良いです。
その内、ケーブルの潤滑については下記の記事でまとめています。
クラッチワイヤーの給油方法!お店での工賃についても解説手順③:オイル交換しよう
エンジンオイルに水分が多少含まれるため、交換が推奨されます。
エンジンオイルの交換方法については下記でまとめてます。
バイクのエンジンオイル交換を自分で行う方法の解説!【メンテナンス】手順④:ガソリンタンクは満タンにしておこう
長期保管する際はタンク内のガソリンを満タンにしておきましょう。これはタンク内にある空気に含まれる水分によりタンク内部の錆びがわずかではありますが進行しやすいからです。
方法としてはガソリンをフルにして、空気の量を減らすorタンク内のガソリンを減らすの2つがあります。
タンク内を空にする場合は、合わせてコーティングしてあげると、良いコンディションのタンクを維持できます!
タンク内のコーディングの手順は下記でまとめてます。
タンク内防錆コーティングの施工手順解説【花咲かG+ワコーズのタンクライナー】手順⑤:キャブ車はガソリンを抜いておこう
キャブ内は長期保管によりガソリンが腐敗しやすい場所です。
コックを止めて、タンクからキャブへガソリンが流れないようにします。その上で、キャブの下に排ドレン用ボルトがあるので、緩めてガソリンを抜きます。
手順⑥:バッテリーのマイナス端子を
バッテリーは長期間バイクを始動させていなくてもわずかながら電力は消費されてしまいます。
長期保管する際は、バッテリーのマイナス端子を外しておきましょう。
コンテナ保管の場合はバッテリーボックスが便利です。
Jackeryのバッテリーボックスを買ったら、バイクの維持がとっても楽になりました手順⑦:センタースタンドをかけよう
センタースタンドをかけることで、タイヤの負担を減らすことが可能です。
もしセンタースタンドやメンテナンススタンドがない場合は、定期的にバイクを移動させて、タイヤの設置場所を変えてあげましょう!
手順⑧:バイクカバーをかけよう
バイクカバーをしておくことで、埃がバイクに溜まるのを防ぎます。
バイクカバーをかけておく方法として、動かないように固定してあげると、風によってカバーでバイク本体にスレ傷をつけずに済みます。
以上メンテナンス一覧でした。メンテナンスは楽しく乗るために必要なものであると同時に、バイクを良いコンディションで長く維持するために必要なものです。
メンテナンス方法を理解しておくと、出先でトラブルに遭遇しても対処法がなんとなくわかるので、応急処置を行うことができるかもしれません。最初は難しいかもしれませんが、できる範囲でやれることを広げていくのも、またバイクの楽しさの一つです!
この記事がバイクメンテナンスの参考になれば幸いです!