「電熱アイテム導入したけど、どれぐらいの電力消費量なんだろう??」
電熱アイテムが増えた今、どの程度車載バッテリーに負荷がかかっているか気になったので、電圧計を導入して測定してみました。
私が使っている電装品は
- 電熱グローブ(Heatmaster)
- USB電源(デイトナ)
- グリップヒーター(中華製)
以上の3つを使っています。この記事では私が乗っているSUZUKI GN125-2Fを例に125ccならどの程度まで電力の余裕があるのかを説明します。
目次
バイクの発電量を確認する
今回測定する方法は電熱アイテムやアクセサリー電源をONにした状態で電圧低下が起こらないかを確認します。12V車なら12Vを下回ると発電量より使用量が上回り、バッテリーがいつのまにか上がってしまう状況となります。
デイトナ 電圧計
これを車体に取り付けて監視していきたいと思います!
SUZUKI GN125-2Fは不明
サービスガイドを確認しましたが記載はありませんでした。古い設定のバイクではあるので、近年のバイクよりは発電量も低いことは予想できます。
HONDA CT125 ハンターカブの場合は190W
HONDA CT125 ハンターカブ
発電量は190Wです。ただし、何回転で190Wになるのかは記載されていませんでした。おそらく5,000回転時の発電量と予想します。
バイクの電熱ウェアの消費電力を確認
次にアイテムごと、カタログで消費電力を確認します。私が使っているアイテムから、人気の電熱アイテムまでチェックしたいと思います!
電熱グローブ(Heatmaste)
消費電力 | 最大 20Wと予想 |
今回実験したグローブはヒートマスターの電熱グローブです。こちらの製品は最大消費電力の記載はありませんが、3Aのヒューズが付いていることから、36W以上の消費電力でないことは分かります。消費電力は約1.6AMPなので、20Wと仮定します。
使用感ですが、0度でもMaxで使用すれば十分に暖かいグローブです。(ナックルガード併用)
グリップヒーター (中華製)
消費電力 | 7.4 W (LV1)〜最大 34.8 W (LV5) |
私が購入した巻きつけ式のグリップヒーターは最大で15W x 2 = 30Wの製品です。30Wで動かすと、熱すぎて持てません。そのため、30Wあたりを上限とした場合にグリップ径が細く、細かく温度調整できるものとしてはキジマのGH10がバランス良い製品を展開しています。
今回の実験では、最高レベルで起動したのと同程度の消費電力と仮定して進めます。
巻きつけ式グリップヒーター
消費電力 | 最大 11 W |
ちなみに、USBタイプの巻きつけ式グリップヒーターは5Vなので、より省エネです。その分温度は低くなります。デイトナのグリップヒーターでおおよそ11Wが上限となります。
USB電源(デイトナ)
消費電力 | 最大 18 W |
私はデイトナのバイク専用USB電源 Type-Cを使用しています。急速充電対応モデル(PD対応)なので、消費電力が大きいです。
今回の実験では、以上の3点をフル稼働した際の消費電力を見ていきたいと思います。
実験で使う電力合計:68 W
今回の電圧チェックでは使用しませんが、他の電熱アイテムも選ぶとするなら、下記の製品を想定します。
インナージャケット&タイツ(Heatmaster)
電熱インナージャケット
消費電力 | 最大 84 W 最大 42 Wモデルもあり |
電熱インナータイツ
消費電力 | 最大 42 W |
グローブと連結し、インナージャケットやインナータイツを併用する方もいるかと思います。消費電力の記載がある親切なヒートマスターだと、上は高出力モデルで最大84Wとなっています。相当なパワーですね。。
インナータイツも42Wと、電熱アイテムの中ではトップクラスの電力消費をするウェアです。もしバッテリー負荷を気にする場合はインナーウェアはバッテリー駆動がオススメです。
シートヒーター(コミネ)
消費電力 | 最大 10 W |
コミネから電熱シートウォーマーが発売されています。下半身が暖かいと、快適なんですよね!最大消費電流0.8Aとのことなので、約10W消費します。
ただ、この製品はバイクに付けっぱなしなので、スイッチの切り忘れによるバッテリー上がりに注意が必要です。0.8Aなので、ACC電源に繋ぐことでバッテリー上がりは回避できそうです。
その他の電装品(ミツバ)
ドライブレコーダー
動作時平均 | 4.2 W |
私はミツバ EDR-21を使用していて、前後カメラのモデルですが、消費電力は少ないですね。
ここまで全てをフルパワーで使用すると
消費電力合計:208 W
であることがわかりました。あくまで机上値なので参考とはなりますが、相当な消費電力であることがわかります。特にインナージャケットの消費電力が多いですね。
アクセサリーの消費電力も調べる
バイクについているヘッドライトやウィンカーなどの消費電力もチェックします。
ヘッドライト
メインランプ | 35W |
ポジションランプ | 5W |
GN125-2Fの場合は40W消費します。この車両はON / OFFすることができるので、消費電力が発電量を上回りそうなら、OFFにすることも可能です。笑
LEDに交換すれば、消費電力は2/3程度に減らせます。
テール/ブレーキランプ
メインランプ | 21/5W |
今使っているテールランプはナンバー灯兼用モデルなので、ナンバー灯はなく、電球は1つだけです。常時5wですが、ブレーキのタイミングで21W消費します。
方向指示器
メインランプ | 21W x 2 |
ウィンカーは常時点灯しない電装品アイテムですが、使用時には21Wの電球が前後で2つ点くので、瞬間ではありますが42Wを消費します。ハザードって前後・左右点灯するんで、84wの消費電力はなかなか大きいですね。
メーター灯
スピードメーター | 3.4W |
タコメーター | 3.4W |
ニュートラルランプ | 3.4W |
メーター灯も常時点灯しているので、わずかではありますが、スピード/タコメーター独立タイプだとそれぞれで電力を消費します。
シングルメーターにカスタムしているので、実際はもう少し少ない
ここまでの電装アクセサリーの消費電力は
瞬間最大消費電力合計:113 W(ウィンカー、ブレーキ動作時
となりました。瞬間での消費電力ではありますが、発電量に対して半分近くは消費しているかもしれません。
実験結果:電圧には余裕あり
次に、グリップヒーターと電熱グローブとUSB電源を使用した際の電圧変化について見ていきたいと思います。まずはアイドリング状態の電圧を確認します。
電圧 | 14.6V |
バイクの発電は問題なく行われており、レギュレーターも問題なく動作していることを確認しています。この数値が12V以下となると、消費電力が発電量を上回っている状態であることが言えます。
USB電源を作動(14.6v → 14.4v )
次に消費電力18WのUSB電源を作動させます。
電圧 | 14.4 V |
グリップヒーターを作動(14.4v → 14.1v )
次に消費電力30Wのグリップヒーターを作動させます。ちなみに30Wだと熱くて持てません。笑
電圧 | 14.1 V |
電熱グローブを作動(14.1v → 13.8v )
最後に電熱グローブは最大20Wです。今までの測定結果の傾向から、もう少し消費している気がします。
電圧 | 13.8 V |
以上の結果から、68Wの消費電力に対して、0.8Vの電圧低下が見られました。一見70Wは大きな消費電力と思われましたが、この車両においては許容範囲内で使用できることは分かりました。
電圧計はバッテリーの診断に有効に使えるアイテムであることも分かりましたし、今後も安心して電熱アイテムを使用できると思います。
机上の空論にはなってしまいますが、125ccでも「電熱グローブ+グリップヒーター(一体型)+USB電源」の組み合わせなら何ら問題なく使用できると思われます。ただし、これはバッテリーを適切にメンテナンスしている場合の話である点に注意が必要です!
下記の記事でメンテナンス項目の中にバッテリーの項目も追加しています。基本メンテナンスの一つなので、定期的に電圧や端子の掃除は行いましょう!
車載バッテリー以外から発熱するアイテムを活用
上の結果では手は暖かく過ごせそうですが、せめて上半身は暖かく過ごしたいところです。
結果から電熱インナーなら使えそうではありますが、バッテリーの負荷を考えると省電力のインナージャケットか、もしくはバッテリー駆動で動く電熱インナーを活用するのが良さそうです。
そこで、車載バッテリーを使わない防寒についてもご紹介します!
ワークマン
低価格で防寒性能に優れている
ワークマンにはバイク用のウェアライン「イージス」はじめ、冬の防寒アイテムとして使えるアイテムがたくさんあります。中でも私はウールのインナーをオススメします。
肌に近いところに吸湿発熱に優れたウールを着ると、その上から防寒着を来た時の保温力に差が出ます。他のアイテムについては下記でより詳しく紹介しています。
電熱ベスト
20,000mAhのバッテリーで1日は持つ
個人的にはウィンタージャケットと組み合わせた際に、首元がダブつかないVネックタイプが使い勝手良くてオススメです。
持続時間も20,000mAhのバッテリー1つあれば相当長く動きます。
電熱グローブ(バッテリー駆動)
バッテリーなら煩わしい配線作業不要!
タイチの電熱グローブが、他社に比べてバッテリー容量が多く、ロングライフなのでオススメです。下記ではバッテリーで動く電熱グローブのラインナップも紹介しています。
ハンドルカバー
これとグリップヒーターで十分に暖かい
難点は、アクセル操作が若干しにくいことと、見た目がすごくダサくなることですが、通勤の使用であったり、見た目を気にしないのであれば十分な選択肢です。
以上125ccで電熱ウェアやアクセサリー電源を使う際のバッテリーの電圧変化についてでした。今後も使う電装品を少しずつ増やして、どの程度まで安全に使えるのかを見極めたいところですが、他の車種において同条件で再現できないのが悲しいところです。
今回の記事では、バイクのバッテリーには多少なり余裕があることがわかりましたので、是非冬のツーリングは暖か電熱アイテムで良きバイクライフをお過ごしください!笑
最後までご覧いただきありがとうございます!
この記事が防寒アイテム選びの参考になれば幸いです!