リアサスは純正だと車重+体重の平均に合わせた仕様になっています。よって体重の軽い人が乗ると結構硬く感じます。
- 体重が軽い人・重たい人
- ワインディングなどの峠をより楽しみたい人
リアサスは体重以外にも、体重に合わせた適切なリアサスを使うことでより運動性能が上がり、乗り心地が非常によくなります。
この記事ではリアサス交換を考えている方に向けた交換方法と仕様による交換の難易度の解説をします!
目次
バイクのリアサス交換の難易度は仕様により異なる
リアサスの交換にあたり、はじめにバイクの仕様による作業の難易度の違いを解説します。
(「易」★1 ⇄ ★5「難」)
2本サス
1本サス
2本サス
1本サス
星5が最も難易度が高い仕様となります。特にセンタースタンドやメンテナンススタンドがない場合のリアサス交換は難易度が高いので、お店での交換が推奨されます。
センタースタンドのある・なし
センタースタンドが付いている車両はかなり楽に交換ができます。
車体についているセンタースタンドをかけることで後輪に荷重がかからないためです。結果比較的楽にリアサス交換が可能です。
一方のセンタースタンドを使わない状況だと後輪に車重が加わるので、リアサスペンションを取り外すとリアを持ち上げる必要があり、相当な力が必要となります。
センタースタンドなしの無理やり交換は大変危険です
サスの本数による違い
モノサス | ツインサス |
---|---|
サスペンションの本数が違うことで、取り外した際のスイングアームの位置(後輪の位置)に変化が現れます。
モノサスは一本しかないので、サスペンションを取り外すと後輪が完全に下がりますが、ツインサスの場合は片側を外しても、もう一本がある程度後輪の位置を保持するので、付け替えは簡単です。
また、ツインサスは取り付けボルトが見えている範囲にあり、工具もセットしやすいので交換が楽です。
マフラーやキャリア等の干渉の有無
サスペンションがマフラーの干渉によって取り外しができない場合は、マフラーを取り外す必要があります。また、マフラーを外す際はガスケットと呼ばれるパーツを用意してからの交換がお勧めです。手順は作業編で解説します。
ハンターカブのように、吸気ダクトで干渉している場合も、部品を外さないとリアサスを交換できない車種もあります。
まとめると、作業がしやすい仕様は
センタースタンドがあり、2本サスであれば交換は比較的簡単
となります。ハンターカブなどはその仕様なのでリアサス交換は簡単のように思いますが、吸気ダクトとマフラーを取り外す必要があり、交換は少々手間です。
リアサスの交換手順について解説!
続いてリアサスの交換の手順について解説していきます。下記は2本サス、センタースタンドありの手順となっています。同じ仕様であれば参考にしてください!
センタースタンドをかける
はじめに、必ずセンタースタンドをかけてください。リアに荷重がかかっていると、リアサスを外した瞬間にバイクが沈み、最悪バイクを倒します。
センタースタンドがない場合は「センタースタンドがない場合の交換手順」で解説しています。
リアサスを片側のみ取り外す
サスペンションを取り付けてあるボルトを外します。工具については十字レンチが外しやすいですが、メガネレンチで外すことも可能です。サスペンション関連のボルトサイズは「17mm」が一般的なサイズです。
十字レンチについては、一つがソケットに対応した十字レンチが便利です。
この工具は車のホイール交換の際にも便利ですよ!
取り外しの際のワンポイント
タイヤの下にスペーサーを入れて、タイヤが下がりきらないようにしておきます
片側のリアサスを外すと、重みでホイールの位置が下がります。タイヤの下にスペーサー(なんでもOK)を置いておくことで、ホイールが下がりきることなく、新しいサスを取り付けしやすくします!
特にリアにサスペンションが一本しかない車種においては、この方法は重要な作業です。
私は工具を噛ませています
長さを短くするサスペンションの交換だと、新しいサスを取り付ける際に多少ホイールを持ち上げる必要があるので、下がりすぎたホイールを持ち上げるのは少し力のいる作業の一つです。
少しでも楽にする作業方法の一つとして参考にしてください。
マフラーが干渉している場合
サス交換にあたりマフラーが邪魔になる場合は、先にマフラーを外します。
マフラーはボルトで止まっているので簡単に外す事が可能です。マフラーを取り外す際はガスケットを用意します。
ガスケットには大きさが各種存在するので、車種に合わせたサイズを用意します。ガスケットは潰れることで密着性を高める構造となっているので、交換が推奨されます。
また、ボルト類は非常に高温になり、焼きつきを起こす原因です。焼きつくとボルトが外れなくなるので、焼きつき防止グリスを塗っておきましょう。
指定トルクで締める
GN125-2Fの場合は24.5〜39.2 Nとなっています。
後は上記の手順で片側のサスも行い、組戻し作業を行えば完了です!
センタースタンドがない場合の交換手順
センタースタンドがない場合は難易度がかなり上がります。現実的な方法としては、センタージャッキを使い、後輪を浮かせる方法となります。
センタージャッキで持ち上げる
センタージャッキを使って後輪を持ち上げる方法です。
持ち上げるポイントはバイクのフレームです。
エンジンの後方かつ、スイングアームでないポイントが適切なジャッキアップのポイントになります。ただしフレームにジャッキアップポイントが見つからないバイクもあります。
パンタグラフで持ち上げる
車載工具としてもセットされているパンタグラフを2つ用意して作業します。
注意点は、左右均等に持ち上げることです。
持ち上げる量に差があると、パンタグラフが倒れて、バイクが倒れる可能性があります
取り付けポイントは下記の通りです。
- フレームであること
- セットするパンタグラフ間の距離が広い方が安定性が高い
車種により適切な位置は変わります。
お店で交換する際の工賃について
2りんかん・ナップスで比較します!
リアサスをお店で購入する場合
2りんかん | ナップス | |
---|---|---|
ツインサス | 4,400円(税込) | 4,180円(税込)〜 |
モノサス | 9,350円(税込) | 11,330円(税込)〜 |
タンク・カウル脱着別料金
モノサスのほうが交換の難易度が高いため、工賃が高くなっています。特に車重が重たいモノサスは、リアサスを外した際に後方へ荷重が一気にくるので大変です。
リアサスを持ち込んで交換する場合
2りんかん | ナップス | |
---|---|---|
ツインサス | 8,800円(税込) | 8,360円(税込)〜 |
モノサス | 18,700円(税込) | 22,660円(税込)〜 |
タンク・カウル脱着別料金
モノサスの部品持ち込みは非常に工賃が高いので、お店で購入できないサスなどを除き、お店でパーツを購入して取り付けるのが良いです。
リアサスを交換することによるデメリット
最後にリアサスを交換することによるデメリットの解説です。
フロントフォークの突き出しを調整する必要がある
リアサスの長さを変えた場合に発生する問題です。
リアサスペンションには一部フロントフォークの長さ調整を推奨するものもあります。
ハンターカブの場合はフロントフォークの突き出しの長さ調整が可能です。SP武川の-40mmダウンのリアサスを交換する場合は、フロントフォークの突き出しを20mm行う作業が必要です。
一方の-25mmダウンであれば、リアサスの交換のみでOKです。
車種によっては突き出しの調整ができない車種もあり、注意が必要です。
サイドスタンドが使用できない可能性がある
リアサスを長くすると、車種によってはセンタースタンドにタイヤが干渉する可能性があります。事前に干渉しないか確認するには、サスペンションアダプターを取り付けて確認する方法があります。
サスペンションアダプター
各種長さ違いのアダプターが売っているので、理想とする長さを決めて取り付けるのも方法の一つです。
アダプターの破損の可能性があり、使い続けるのは非推奨です
アダプターはサスペンション長を変えることによる干渉の有無を確認するのに適しています。
バネレートが高くリアサスが機能しない
これは汎用のリアサスを取り付けた場合に発生する問題です。
バネレートは簡単に言えばバネの硬さです。レートが強いほど、重たい車体や、乗る人が重たい場合に最適な仕様です。
汎用の場合は車重の軽いバイクから車重の重たいバイクまで網羅しているので、比較的サスペンションが硬めの仕様になっています。例えば軽量な車体である125ccに他の排気量の大きなバイクのサスペンションをセットすると硬くて乗り心地は悪化します。
リアサス交換でワンランク上の走りを体感する!
以上リアサスの交換方法でした!記事の内容で自分で交換ができそうならやってみて、無理ならお店で交換依頼をするのが良いと思います!
高性能なリアサスが見つかったら、違う車種でも仕様を変更して取り付ける方法もあります。下記では具体的なバネレートの変更方法から適正なサイズの選び方まで解説しています。
最後までご覧いただきありがとうございます!
この記事がリアサス交換の参考になれば幸いです!