エンジンオイルはエンジン内部の保護から潤滑に至るまで多岐にわたって効果を発揮するものですが、車種では油種の指定があり、間違えたものを選んでしまうと最悪エンジンが止まってしまいます。
その上、エンジンオイルの種類って多いですよね!安いものから高いものまで、そのラインナップはピンキリです。
この記事ではエンジンオイルの種類の違いと車種に合わせたエンジンオイルの選び方について解説します!
目次
バイク用エンジンオイルの選び方!
エンジンオイルの種類や基本情報についてまとめました。
油種の違いで選ぶ
種類は大きく分けて、鉱物油・部分合成油・化学合成油の3種類に分けることが可能です。
- 原油から抽出され、不純物を取り除いたもの
- 耐熱性能が弱く、酸化も早い
価格:最も安い
エンジンの使用時間が短い街乗りでの使用、買い物、等
- 鉱物油に化学合成油を20%以上混ぜたもの
- 鉱物油の弱点である耐熱性能の低さ、酸化のしやすさを改善
価格:鉱物油よりは高いが、そこまで高すぎることもない
ツーリング、等
- 原油の精製処理をより高度にし、品質の良いオイル
- 耐熱性が高い
価格:最も高い
酷使されるサーキットでの使用、等
最適な種類の選び方
化学合成油は耐熱性に高く、高性能なオイルです。その目的はサーキット等でも安定した性能を発揮できるように開発されたオイルであることは間違いあいりません。
その分価格も高くなります。
コストパフォーマンスに優れた部分合成油がツーリング等で使うにはベストチョイスではないでしょうか。
化学合成油は旧車などのエンジン設計を考慮していないので、トラブルの元になる可能性があります。
車種にあったエンジンオイルを選ぶ
複数種類ある中から最適なエンジンオイルを選ぶための解説をします。
基本となるのはバイクで指定しているエンジンオイルです。油種については取扱説明書に記載されています。下記より車種別取扱説明書をご覧いただけます。
指定の粘度を入れる
エンジンオイルには粘度があり、車種ごとに指定があります。10Wー40を例で説明します。
気温が低い時の粘度を表します。数字が低くなるほど、低温時のオイル性能が優秀
油温が100℃の粘度を表します。数字が高くほど、高温時の粘度が高い
ハンターカブの場合
CT-125 ハンターカブの指定粘度(SAE規格)は
10W-30
となっています。オイル交換時は0.7L(フィルター込み)となっています。
10W-40を入れると高温時のオイル粘度が高く、燃費が若干悪くなります。
指定のJASO規格を入れる
JASOは日本で定めた2輪自動車用4サイクルエンジン用の規格です。車と違い、クラッチ等のギアもエンジンオイルで潤滑するため、2輪用で独自に定められています
- 高い摩擦特性
- MT車に使用されている
- MAの摩擦特性の範囲内で粘度を低めにしたもの
- MA1の指定があれば、必ずMA1を使用する
- MAの摩擦特性の範囲内で粘度を高めにしたもの
- MA2の指定があれば、必ずMA2を使用する
- 低い摩擦特性
- スクーターに使用されることが多い
粘度を調整することでエンジン内部の可動抵抗が減り、燃費向上に繋がりますが、専用設計である必要があります。そのため、MA1、MA2などの指定があります。
MA入れてるけどクラッチが滑りやすい、その場合は実はバイクがMA2指定の場合があります
一方、スクーターなどはクラッチ等の潤滑が不要なので、MB指定のものが多いです。
必ず車種のマニュアル等で確認しておきましょう。
ハンターカブの場合
CT-125 ハンターカブの指定JASO規格は
MA
となっています。スクーター用でない指定なので、多くの二輪用エンジンオイルが使用できます。
指定のAPI規格を入れる
API規格があり、13段階に分かれています。
SN(最高グレード)→SM→SL…(以下省略)
の順にグレードは下がっていき、上位3種類のグレードをよく見ます。こちらも車種ごとに指定される場合が多いので確認しておきましょう。
Castrol POWER 1には記載はありませんでした。
ハンターカブの場合
CT-125 ハンターカブの指定API分類は
SL 級
となっています。API分類を確認できないエンジンオイルも多いのですが、確認できる場合はチェックしておきましょう!
指定と異なるエンジンオイルを使うと発生するデメリット
指定と異なる粘度のエンジンオイルを入れた場合のデメリットについて考えます。
燃費が悪くなる(粘度が高い)
5W-40のオイルに対し、10W-40のオイルを入れた場合は始動時のオイルの粘度が高い状況です。5wは10wよりも低温時のオイルの流動性が良く、結果始動時の抵抗が減り、燃費に影響します。
また5W-40に対し5W-50になると高温時のオイル粘度が高く、結果燃費が若干悪くなります。
焼きつきを起こす(粘度が低い)
粘度が低いものを入れると抵抗が減ります。抵抗が減ると、エンジン始動時(冷えた時)の抵抗が減り、エンジンの運動性能が向上しますが高温時に粘度が低いことによりオイル切れを起こす可能性があります。
結果、燃費の向上にはなりますが、高温時にオイル切れによる金属同士の焼きつきが発生し、エンジンが止まってしまい最悪再始動できない状況になります。
エンジンの設計を指定粘度で行なっているので、かけ離れた粘度を入れないようにしてください。
社外エンジンオイルの特徴!
エンジンオイルを純正以外のものにするメリットは、純正品では得られない洗浄力の強さや耐久性の高さを体験できることです。
ここでは各メーカーの主力製品について簡単にまとめたいと思います!
ワコーズ|プロステージS
PRO-S20:2,100円(税抜) / L
ワコーズならではのケミカルによるエンジン保護に優れたエンジンオイルです。展開は下記の通りです。
SAE粘度
0W-20、0W-30、10W-40、15W-50
規格
JASO:MA
※PRO-S20を除く
容量展開
1L、4L
その他レーススペックのエンジンオイルから、より過酷な環境で使われることを想定したエンジン内部の保護を重視したエンジンオイル等あります。
カストロール|POWER1 RACING 4T
価格:ー / L
実売価格が安く、純正オイルよりも安いのがカストロールのエンジンオイルです。コスパに優れているので使いやすいエンジンオイルの一つです。展開は下記の通りです。
SAE粘度
5W-40、10W-50
規格
JASO:MA
容量展開
1L、4L
エルフ|MOTO4 TECH
価格:2,500円(税抜) / L
低温時の流動性がよく、高油温時dも優れた安定性を誇るハイスペックエンジンオイルです。展開は下記の通りです。
SAE粘度
10W-50
規格
JASO:MA2
API:SL
容量展開
1L、4L
その他にもレーシングスペックのエンジンオイルやコスパに優れたオイル等展開しています。
エンジンオイルの限界を迎えたら交換しよう!
エンジンオイルは定めた走行距離に達したり、シフトフィーリングが変化したら交換しましょう!エンジンオイルの交換時期やお店で交換する際の工賃については下記で詳しく解説しています。
エンジンオイルの交換の際に必要なこととしては
- 純正と同じ粘度で選ぶ
- 部分合成油・化学合成油かを決める
となっています。
交換を自分で行おうと考えている方は、下記で必要な工具および交換方法について図解で解説しています。
最後までご覧いただきありがとうございます!
この記事がエンジンオイルメンテナンスの参考になれば幸いです!