チェーンは伸びます!ただ、タイヤやエンジンオイルと違って見ただけでは交換時期がわからないのがチェーンでもあります。
この記事ではチェーン交換が必要か見極める方法を解説すると共に、磨耗を減らし交換タイミングを延ばすためにできることを解説します!
目次
チェーンの伸びが交換時期か確認する方法
はじめに、バイクのチェーンが伸びているかを確認する方法を解説します。チェーンは使うと各部の磨耗により少し伸びます。その伸びは張りを調整することで解消できますが、張り調整が必要かどうかを確認する必要があります!
チェーンの張り調整を行う
チェーンの張り具合は下から持ち上げた時に2〜3cm(オンロードの場合)動く範囲がチェーンの適正な張りとなります。張りは後輪の前後位置を調整することで調整が可能です。
後輪を動かすためには軸のナットを緩める必要があります。かなり強い力で締められているので、工具も相応のもの(柄が長い)があると作業しやすい他、バイクにセンタースタンドがない場合は後輪用のメンテナンススタンドの使用が必要です。
後輪を前後に動かすことで、インジゲーターによりチェーンの交換時期を示す表示がある車種があります。バイクによっては、この表示がないものもあります。
チェーンの張りを適正な位置に調整した上で、ゲージが要交換を示す場合はチェーンの交換が必要であると言えます!
ちなみにチェーンの張り調整はこまめに行った方が良く、少なくとも
1,000 km毎に1回
の点検が推奨されています。
チェーンチェッカーを使う
チェーンの交換時期を示す表示がないバイクや、ついていてもどんぶり勘定ゲージである場合(私のGN125-2Fです。笑)はチェーンチェッカーを使います。
これなら純粋なチェーンの伸びを確認することが可能なので、交換時期の把握に役に立ちます。
一般的にチェーンは
5,000 前後
で交換時期を迎える場合が多いのですが、メンテナンス状況や走り方によって大きく変わります。
ただしこの方法はチェーンの伸びのみを確認する方法なので、張りの確認作業は別途必要となります。
チェーンの動きが悪くなる
伸びとは関係ありませんが、解説します。
写真のように屈曲した形が元に戻らない状況はチェーン内部に錆が発生し、動きが非常に鈍い状態です。内部の錆は落とすことができないので、チェーン交換となります。
以上チェーンの伸びを確認する方法の解説でした。チェーンは定期的なメンテナンスが求められるので、工具を備えておくとセルフで調整が可能となっています!
チェーンの伸びを放置すると発生するデメリット
続いてチェーンが伸びていた場合、交換せずに使い続ける場合のデメリットを解説します。
チェーンが伸びた状態だと、変速を伴う自転車ならすぐに変化が現れるのですが、バイクのように変速することなく動力を伝えるためにチェーンが存在していると伸びの変化に気付きにくい面があります。
操作性が悪くなる
チェーンの伸びが多くなると遊びが多くなるので、アクセルを開けた時の反応が悪くなり、ギクシャクした操作感になります。
スプロケットの磨耗にも影響が発生する
チェーンが伸びた状態だと、張りを調整しても本来噛み合う場所でないところでチェーンとギアが噛み合います。ここでのギアは
- 後輪:ドリブンスプロケット
- エンジン側:ドライブスプロケット
の偏磨耗に繋がります。
磨耗が進むとギアが欠けたり、チェーンの張りが弱いことによるギア飛び(チェーンが刃先の
上を滑ってしまう)が発生しやすくなります。
特にバイクの場合は強いトルクやエンジンブレーキ等によるバックトルクでチェーンが暴れやすくもなりますし、チェーンにも強い力が常に掛かり破損の原因となります。
安全に使い続けるためにも、張り調整はもちろんのこと、交換時期を迎えたチェーンは交換が必要です!
チェーンの磨耗が進むと転倒の可能性がある
それでも交換せずに、張りだけを調整して使い続けるとどうなるのでしょうか。一般的には、チェーンを繋いでいるピンが切れて、チェーンが外れて終了となります。
しかし、外れたチェーンがホイールに絡まってしまったり、ギアに絡みつくことによって後輪がロックし、その速度によっては非常に危険な転倒につながることも予想できます!
チェーンが伸びて交換時期に突入したら、メリットなんてほとんどありません。長い目で見ればチェーンの交換頻度は減るかもしれませんが、同時にギアも磨耗が進むので交換頻度が早まり、結果トータルでの支出は増えるかもしれませんね。笑
チェーンが伸びる理由について解説
続いて、なぜチェーンは伸びるのかも把握しておくと、メンテナンスに役に立ちます!
チェーンは各部品の磨耗により伸びる
チェーンの長さが変わることを伸びと言いますが、これは各部のパーツの磨耗によって発生します。
チェーンを構成している1コマ
チェーンは写真のような部品で構成されています。これらが繋がることで長いチェーンとなりますが、各部がわずかながら磨耗することで全体の長さが変わってしまいます。
チェーンの外側に見えているこの部品。ローラーと言いますが、ここもギアと接するため当然磨耗します。
ローラーは他の部品と連結されているわけではないので、チェーンの伸びには影響しない磨耗になります。チェーンの伸びは連結に関係する箇所の磨耗によって発生する!これが原因です。
オイルを差すポイントはコマが動く箇所です。
オイルを差すなら、できれば可動部の中心目掛けてオイルを差すのがベストです。
急加速、過積載により伸びは加速する
磨耗の度合いは、走り方で変化します。負荷が一番かかるのは加速時や減速時です。特に加速は大排気量ほどトルクが強く、チェーンにも相当な負荷がかかります。
また二人乗りや荷物をたくさん載せている状況でも負荷が高くなります。よって、一人乗車でゆっくり発進する状況では磨耗度合いがゆっくりとなります。
丁寧な走行はチェーンの交換時期を遅らせます。
チェーンの伸びを減らす為に出来ること
最後に、チェーンの磨耗を抑える方法についても解説します。定期的なメンテナンスでチェーンの交換頻度を抑えることが可能です。
こまめにチェーンの張りは調整する
チェーンの磨耗は負荷の強さにより変わるので、負荷がかかりにくいように使うことが一番チェーンにとって良い環境と言えます。その一つが小まめな張り調整です。
張りの調整が不適切だと本来の動きとは異なる負荷の掛かり方が発生するため、チェーンやギアにとっては良い状態とは言えません。定期的に点検し、張り調整することで寿命を延ばすことが可能です!
シールチェーンに交換する
シールチェーンはパッキンを使うことでチェーン内部のグリスを封入する働きのあるチェーンです。
シールチェーンはパッキンあり!
チェーンには
- シールチェーン
- ノンシールチェーン
の2つに分類できますが、シールチェーンは中のグリスにより各部品の磨耗を抑え、結果チェーンが伸びにくい仕様になっています。Oリングによる抵抗があるので、ノンシールチェーンに比べて動きが若干鈍くなりますが、各社Oリングの形状を工夫して抵抗が少ないシールチェーンの開発を進めています。
シールチェーンは今つけているチェーンのサイズと同じものに交換すれば使えますが、旧車等は注意が必要です。下記記事内で解説しています。
オイル給油も忘れずに
チェーンにとって潤滑は大切です。特に金属は耐摩耗に優れているとは言え高速で回転するチェーンにとって、オイル切れの負荷は高いです。
シールチェーンはオイルの給油が不要論もありますが、Oリングの保護なども含め給油は行う必要があります。
オススメな潤滑剤はワコーズ|チェーンルブで、その特徴は
オイルに防サビ成分が含まれていて、長期にわたって効果が持続する
のがポイントです。こちらはシールチェーン対応です。
チェーン交換をする際の工賃について
2りんかん・ナップスで比較します!
チェーンをお店で購入する場合
チェーン交換の料金
2りんかん | ナップス |
---|---|
2,750円(税込) | 3,080円(税込) 〜 |
2つ比較すると、それほど価格差は無いようです。
購入するチェーンにより合計費用か変わるので、見積もりする場合はチェーン代含めて比較しましょう!
チェーンを持ち込んで交換
2りんかん | ナップス |
---|---|
5,500円(税込) | 6,160円(税込)〜 |
チェーンの持ち込みは工賃が2倍となります。チェーンの価格はそれほど高く無いので、お店で購入して取り付けるのが安いです。
選べるチェーンのサイズについて
シールチェーン or ノンシールチェーン
シールチェーンとノンシールチェーンはサイズさえ合わせばどちらでも選ぶことが可能です。
チェーンの可動部にOリングがあり、ここがゴム製です。これによりチェーン内部のグリスが表に出てきにくいようになっています。
Oリングはありませんが、その分値段も安く、安価に導入できます。メンテナンスの頻度は多くなりますが、抵抗が少ない分軽く動きます。
サイズについて
バイクによりサイズは異なります
バイクのチェーンにはサイズがあります。サイズを間違えると取り付けができませんので注意しましょう。検索する際は
(車種名)チェーン サイズ
で検索すると適合するサイズ・リンク数を知ることが可能です。また、チェーンの外プレートにもサイズは記載されています。乗っているバイクのチェーンに記載されている3桁の数字がサイズです。
バイクによりピンの数は異なります
リンク数は数えることも可能です。図のピンを1リンクとし、チェーン全体のリンク数を数えます。
チェーンの交換時期はメンテナンスで判断!
以上チェーンの交換時期とメンテナンスの大切さの解説でした!チェーンは工具を使わないと伸びているかの判断ができないので、工具を買うかチェーンの張り調整を行いましょう!
チェーンの交換を自分で行おうと考えている方は、下記で必要な工具および交換方法について図解で解説しています。
最後までご覧いただきありがとうございます!
この記事がチェーンメンテナンスの参考になれば幸いです!