チェーン交換は基本専用の工具を用いて交換しますが、小排気量車種を中心にチェーンの種類によっては専用の工具が不要で交換できるパターンもあります。
この記事ではチェーンの種類や交換手順について解説します!
目次
バイクのチェーン交換が必要かどうか見極める
初めにチェーン交換する前に、チェーンの張り調整をしたり、清掃すればまだまだ使用できる可能性があるので、チェック方法を解説します。
サビや動きが渋いなら清掃でOK
交換理由が錆びている、もしくは動きが鈍いなら、チェーン自体は伸びていない可能性があるので、清掃すればまだまだ使える可能性があります。まずは錆びを落とし、オイルを指すことで動きが改善するので試してみるのがオススメです!
チェーンの張り調整をする
チェーン交換の理由がたるみであれば、チェーンの張り調整を行います。適性は2〜3cmの振れ幅となります。
少し緩めます
舐めないようにメガネレンチがオススメ!
ネジを締めこむと、チェーンの張りが強くなります
締め付けは、逆の手順を辿ればOKです!
より詳しい作業工程については下記記事で解説しています。
チェーンの張り調整を行なった上で、後輪軸付近に交換時期を示す表示がある場合、下図の通りに交換時期を示す領域に入った場合はチェーンの交換をすべき一つの参考になります。
表示のないバイクや、より正確に測定するにはチェーンチェッカーが便利です。
チェーンに工具を添えるだけで伸びを確認できるので便利です。工具の精度が求められるので、信頼できるアイテムがオススメです。
チェーン交換の目安は伸びている場合においては要交換です。あと明らかに状態の悪いチェーンなら交換しても良いと言えるでしょう!
チェーン交換に必要な道具の紹介
次にチェーン交換に必要な工具の紹介をします。工具は接続方法によって使う工具が異なります。
チェーン購入時に種類を選ぶことができる製品もあれば、複数種類の接続キットが付属しているチェーンもあります。
チェーンカッター
チェーンの接続には主に3つのパターンで行われます。
カシメタイプ | クリップタイプ | スクリュータイプ (EKチェーンのみ) | |
---|---|---|---|
専用工具 | 必要 | 不要 | 不要 |
これらを取り外す際に、カシメタイプのチェーンの場合はチェーンカッターが必要です。
カシメタイプはグラインダーでも作業可能
グラインダーを持っている人は、ピンをグラインダーで削って外すことも可能です。チェーンカッターを用意する必要はありませんが、注意点は音が大きいので、近所迷惑になりにくい時間帯で作業しましょう!
スクリュータイプは工具不要
ナットを締めこむことで圧入するタイプの接続はEKチェーンのみの展開です。カシメのための専用工具を用意することなく取り付けが可能です。
クリップタイプも専用工具不要ですが、大排気量のチェーンの展開はあまりないのですが、スクリュータイプは大排気量車の展開があることがポイントです。
カシメ工具
カシメタイプはピンを圧入してるから外れない!
カシメ工具は圧入タイプのチェーンに必要な工具です。カシメ工具を使うことで、ピンの先端を押し潰すイメージです。この作業を行うことでチェーンが外れません。
カシメ工具を選ぶポイントは、様々なサイズに対応した工具が便利です。今後バイクを乗り換えたりした際に、都度専用の工具を揃える必要がある為です。
クリップタイプはウォーターポンププライヤーを使用
工具で挟んで圧入します
クリップタイプは軽圧入タイプになります。プライヤーやウォーターポンププライヤーでの圧入を行います。
クリップはラジオペンチ等で取り付けが可能なので、チェーン専用の工具を揃える必要はありません。
チェーンの交換手順について解説
ここからはノンシールチェーンについての交換手順について解説します。
圧入されたピンをチェーンカッターで取り外す
チェーンカッターという名前ですが、工具の役割としてはピンを押し出す工具です。これでチェーンを途中で分割することが可能です。外すのにはかなり力が必要なのと、工具の先端をまっすぐピンに押し当てる必要があります。
工具の先端が曲がりやすいので、グラインダーの方が作業しやすいという方も多いです
グラインダーで削り落とす
グラインダーでチェーンのピンを削るとこで、連結部を外すことも可能です。削る場所は2箇所ですが、削る際に間違った場所を削らないようにしましょう!
スプロケットの掃除をしておく
パーツクリーナーで掃除します
スプロケットを掃除しておくことで、新しいチェーンに不必要な汚れが付くのをある程度防ぐ目的もあります。まかなか掃除できない場所なので、この機会に掃除しておくと良いですよ!
チェーンは交換するので、パーツクリーナーでしっかり洗浄してOKです!
新品チェーンと古いチェーンを交換用コマで連結する
チェーンの接続には外したコマを使うと便利です。古いチェーンと新しいチェーンの端を連結し、タイヤを回転させることでチェーンの入れ替えが出来ます。
この瞬間が気持ちいい!笑
工具を使ってチェーンを連結する(カシメタイプのみ)
カシメタイプのチェーンはこの工程が必要です。一方のクリップタイプやスクリュータープは専用工具が不必要なので、導入のしやすさでチェーンを選ぶのが良いと思います。
一般的にクリップタイプは小排気量車にオススメの接続方式で、トルクのあるハイパワーなバイクはカシメてしっかり接続します。
クリップタイプの場合
連結後、チェーンプレートをセットしますが、手ではセットできません。プライヤーで圧入します。
チェーンを直接工具で挟んでしまうとプレートに傷がついてしまうので、外した古いチェーンのプレートを添えて挟むと傷があまり付かずに圧入できるのでオススメです。
以上チェーンの交換方法でした!
交換頻度を少なくするためのチェーン選び
最後に、チェーン交換の頻度を減らす方法をご紹介します。
シールチェーンを選択する
チェーンの伸びは、チェーンの一つ一つのパーツの磨耗によって全体が伸びてしまっている状態です。その為、給油で潤滑を維持する必要があります。
潤滑が切れないようにしたのがシールチェーンの目的です。
シールチェーンはパッキンあり!
Oリングは内部のグリスを保持し、潤滑性を継続的に維持します。結果に摩耗が減り、チェーンの伸びが遅くなる効果があります。
しかし、シールチェーンは値段が高いので、費用対効果を考えて選択するのが良いかと思います。下記では125ccで選択できるシールチェーンをピックアップしました。
シールチェーンはあくまでグリース保持ができるチェーンであって、メンテフリーというチェーンではありません。
メッキ処理されたチェーンにする
チェーンのプレートのサビが交換理由であれば、チェーンの各パーツにメッキ処理されたチェーンが錆びにくくオススメです。チェーン全体が錆びだらけになることを防ぎます。
ただし使用に伴い可動部はメッキが剥がれサビは進行します。
チェーン交換をする際のサイズの選び方
チェーン交換する際は、交換するチェーンを用意する必要がありますが、まずは自分のバイクにどのようなチェーンがついていて、どの種類のチェーンにするか確認していきましょう!
サイズを確認する
バイクのチェーンにはサイズがあります。サイズを間違えると取り付けができませんので注意しましょう。
バイクによりサイズは異なります
私が乗っているGN125-2Fの場合は検索すれば
サイズ:428、116L(リンク数)
であることがわかりました。また、チェーンの外プレートにもサイズは記載されています。乗っているバイクのチェーンに記載されている3桁の数字がサイズです。
リンク数について
バイクによりピンの数は異なります
リンク数は数えることも可能です。図のピンを1リンクとし、チェーン全体のリンク数を数えます。
シールチェーンかノンシールチェーンを選ぶ
シールチェーンはパッキンあり!
シールチェーンはチェーンの可動部にOリングがあり、ここがゴム製です。これによりチェーン内部のグリスが表に出てきにくいようになっています。
滑らかな動きが維持される
耐摩耗伸び性能が高い
メンテナンスが容易になる
Oリングによる抵抗がある
重たい
伸びにくい為交換時期が分かりにくい
一方のノンシールチェーンにはOリングはありませんが、その分値段も安く、安価に導入できます。メンテナンスの頻度は多くなりますが、チェーンの性能としては優れています。
シールチェーンは値段が高いので、基本はノンシールチェーンで良いです。
メンテナンスをより楽にしたい!という場合においてシールチェーンはとても効果的なのでオススメです。
以上チェーン交換の手順についての解説でした!
新しいチェーンを入れたら、出来るだけ性能を維持するためにチェーンのメンテナンスが大切です。詳しくは下記で解説しています。
最後までご覧いただきありがとうございます!
この記事がチェーン交換の参考になれば幸いです!