CT125|ハンターカブのシート高は800mmとお世辞にも足つきが良い高さとは言えません。
特に女性となると厚底ブーツを使っても足つきに難がある場合もあり、一筋縄ではいきません。笑
そこでこの記事ではハンターカブにローダウンが可能なリアサスペンションの交換を行い足つきの改善を図る記事です!
交換手順や製品選びについて解説するので、参考にしていただき、自力での作業が不安な方はお店での交換を依頼しましょう!
目次
ハンターカブの足つき改善3選
シートを交換する
カブ用にアンコを少し抜いた高さの低いシートが販売されています。これに交換することで少し足つきが良くなります。
一方でクッション性が少し弱くなる場合もあるので、乗り心地などは交換してみないと分からない点に注意しましょう!
ブーツを厚底にする
厚底ブーツによって足つきを改善する方法です。
一般的な厚底ブーツではなく、バイク用に仕立てられたブーツを使うことで、操作性の良さを維持したまま足つき性が改善します。
より詳しい製品レビューについては下記で解説しています。
リアサス交換
リアサスを短いものに交換する場合、2通りの選択肢があります。
- −25mmローダウンする
- −40mmローダウンする+フロントもローダウン
25mmローダウン
手軽に交換できるリアサスとしてオススメなのがSP武川のローダウンサスです。−25mmであれば、フロントサスの調整を行う必要がないので交換が比較的楽です。
40mmローダウン
−40mmは確実な足つき改善が可能ですが、車体バランスを維持するためにフロントフォークの調整やサイドスタンドの交換など、必要な作業が多い選択肢となります。
リアサスの交換に使う工具
必要な工具は下記の通りです。
- 12・14・17・19 mm
- 六角レンチ
- プラスドライバー
- トルクレンチ
- ジャッキスタンド
- 結束バンド
- スプリングフック
- 8mmスパナ or ソケット
作業にはマフラーの取り外しが必要なため、下記の部材も用意しておきましょう!
- 焼きつき防止グリース
- エキゾーストガスケット
ボルト・ナット類を締め付ける際は、下記のトルクレンチを使用しています。
締め付けるトルクの大きさによって、工具を替えています。
リアサス交換の手順
リアサス交換については4つの工程に分かれます。
- マフラーを外す
- リアサスペンションを交換する
- フロントフォークを下げる
- サイドスタンドを交換する
工程3・4については、−40mmのサスペンションに交換する場合において必要な作業です。この工程はホイールを外す必要があるので、手軽なのは−25mmのローダウンにする方法です。
とは言え、ハンターカブのリアサス交換は少々手間です。
早速手順を解説します!
マフラーを外す
マフラーを外す際、フランジボルトやバフラーを外すためにアンダーガードを外す必要があります。
アンダーガードは4箇所ボルトで固定されているので、六角レンチで簡単に外すことが可能です。
アンダーガードの後方には爪があり、フレームに引っかかっているので、ボルトを外しても落下しません。その為ボルトを外す順番としては「後方→前方」がオススメです。
次にマフラーを外すための準備として、サイドカバーを外します。
カバーを外すとマフラーをフレームに固定しているボルトにアクセスできるためです。
まずはカバーを外すため、2箇所を外します。
写真左:プラスドライバーを使ってねじを外します。
写真右:先の細い工具で、真ん中のピンを軽く押し込むことで外すことが可能です。
カバーの下側にあるので、覗き込んで外しましょう!
2箇所の固定を外すとカバーを外すことが可能ですが、カバー上部はフックになっているので、無理に外すと折れてしまいます。
下から上に持ち上げるようにしながら手前に引っ張ることで外れます。無理に外そうとすると爪が折れたり、カバーに傷が付くので注意が必要です。
必要に応じて、カバーに傷がつかないように養生することをオススメします
マフラーは3箇所のボルトで固定されています。
- エンジン側
- リアサスペンション右側
- シート下(サイドカバー内)
エンジン側
ナット2つで固定されているので、12mmのメガネレンチやソケット等で外します。
リアサスペンション右側
12mmのメガネレンチでナットを外します。
首が曲がっている工具が作業性良くてオススメです。
シート下(サイドカバー内)
最後に、ここを外すとマフラーを外すことができるので、マフラーを手で保持しながらボルトを外しましょう!
外したカバーの内側にボルトがあるので、こちらも12mmのメガネもしくはソケットで外します。
外す際にマフラーがフレームに接触しやすいので、養生しておくと良いです。
以上がマフラーを外す工程です。これでリアサスペンションの交換が可能になります!
リアサスペンションを交換する
初めに、リアサスペンションの作業に必ずセンタースタンドをかけて作業します。
また、誤ってセンタースタンドが外れないように、フロントブレーキを強く縛って固定します。
リアサスペンションを外すためには、リアのエアインテークのダクトを外す必要があります。
ダクトカバーはネジ2本で留まっています。六角レンチで外します。
カバーは引っ掛けにより留まっています。手前にスライドすることで、外すことが可能です。
リアサスペンションを外すために、ナットを外します。
サイズは下記の通りです。
- 左側:(上)17mm|(下)14mm
- 右側:(上)19mm|(下)14mm
ナットを外すとリアサスペンションを外すことが可能です。リアサスペンションを外すと後輪が落ちるので、最後の1本を引き抜く際は、後輪を少し持ち上げながらリアサスペンションを抜くと外しやすいですよ!
後輪が下がった状態では新しいサスペンションを取り付けることができないので、後輪を持ち上げながら新しいサスペンションをセットします。
外したナットを締めて完了です!その際の取り付けトルクは下記の通りです。
44N・m(左右共通)
29N・m(左右共通)
以上がリアサスペンションを交換する工程です。交換するリアサスが−40mmローダウンの場合は、下記の工程も必要となります。
フロントフォークの突き出し量変更
リアサスペンションの長さを変更すると、車体バランスが崩れ、走行性能にも影響します。今回はリアが−40mmになるため、フロントを−20mmに変更します。
フロントフォークの突き出し量を変更するため、フォークが動くように固定を緩めておきます。
六角レンチで片側の上下ボルトを緩めます。左右あるので、合計4本あります!
突き出し変更のため、フロントホイールを外します。まずは固定用のブレーキレバーに取り付けたバンドを外して、ブレーキを解除しておきます。
センタースタンドが外れる可能性があるので、以降は慎重に作業する必要があります
軸は14mmと19mmのスパナで外すことが可能です。
ホイールを抜く際は下記の注意点に気をつけてください!
- ホイールを外した状態でフロントブレーキは絶対に握らないでください
- フロントホイールを外したあとは、車体を前方に倒さないでください
フロントブレーキについては、握ってしまうと再度ホイールを入れることができません。問題を解決するためには専用の工具が必要になり、工程としてはブレーキパッドの交換方法と同じ作業になります。
またフロントが落ちない対策として、センタースタンドの前方にスタンドをセットして、前下がりにならにように対処しましょう!
フロントフェンダーは左右の高さを整える役割もあるので、一度外します。
10mmのボルト4本で留まっています。全て外して、フェンダーを取り除いてください。
ハンターカブの場合、フェンダーをフォークブーツの位置まで持ち上げて引き抜くことで外れます。
ここは力の必要な作業です。
フォークを下から持ち上げて、突き出し量を変更します。簡単には動きませんので、じんわりと少しずつ押し出すことになると思います。
フォークの左右の突き出しを終えたら、一度軸をセットします。
フォークの高さが均等であれば、スムーズに軸が入ります。
一方、どちらかが高い場合は軸が入りませんので、必要に応じて再度フォークの突き出し量の変更を行います。
問題なく軸が通ったら、この状態でフェンダーをセットして、ボルトで固定します。
緩めていたボルトを計4本、六角レンチでしっかり締め込みます。
最後にホイールを取り付けます。
締め付けは19mmのナット側で行い、トルクは59N・mとなります。
センタースタンドを解除し、両輪が地面に接した状態でも再度、軸の締め付けトルクは確認するようにしてください
以上がフロントフォークの突き出し変更です。手順が多いので作業は大変ですし、車体が倒れる可能性もあるので、慎重に作業する必要があります!
マフラーの取り付け
マフラーを取り付ける際には、下記の手順で組み戻すことを推奨します。
新品のガスケットは潰れることで密閉性を高める仕様です。そのためマフラーを外す度にガスケットの交換が推奨となります。
リングはマフラーを外した時に外れなければエンジン側に残っています。マイナスドライバーで取り除くことが可能です。
外したマフラーを取り付けた後、ボルト・ナット類は手で締め付けができる範囲で取り付けます。
尚、エンジンに接する場所は高温になるため、ネジ部に焼き付き防止グリースをつけてナットを取り付けます。
締め付けは12mmの工具で行い、トルクレンチを使って27N・mで締め付けます。
2本のナットは左右均等に少しづつ交互に締め付けましょう。
サイドスタンドを交換
前後ローダウンすると、純正のサイドスタンドでは長すぎる問題が発生します。
全く使えないわけではありませんが、ほぼ直立するので、強い風などで転倒しやすくなります。
アジャスタブルサイドスタンドを使うことで、ローダウンした際に適正な長さで使用できます。
サイドスタンドを外すため、センタースタンドを使用します。
専用工具のスプリングフックを使って、サイドスタンドのバネを外します。
バネを外すのは意外に難しく、実践して外せた方法は下記の通りです。
- 車体側を外す
- フックをバネに引っ掛け、捻るように引っ張る
バネの力が強いので、力の必要な作業です。
サイドスタンドにはセンサーが取り付けられています。まずはこれを8mmのスパナもしくはソケットで外します。
次に14mmのメガネもしくはソケットを2本使い、ボルト・ナットを外します。
強い力で締まっているので、手を怪我しないようにしましょう!
外したら新しいサイドスタンドを取り付けます。
外したバネを取り付けます。
取り外したときは車体側を外しましたが、取り付けは車体側を先にセットして、スプリングフックを使って引っ張る方が簡単です。
G-craftのサイドスタンドは調整が可能です。必要に応じて突き出し量を調整して、緩み留めのナットを締め込みます。
プレートの向きについては、サイドスタンドを使用した時に自然に向く向きで固定してあげると良いです。
今回のセッティングだと、プレートが前方方向に傾く向きとなりました。
以上でリアサスのローダウンに伴う交換とセッティングの一連の流れでした!
−40mmとなると必要な工具やパーツも多く、どうしても必要でなければ−25mmのリアサス交換に留めるのが良いです。
リアサス交換の工賃の比較
2りんかん・ナップスで比較します!
リアサスをお店で購入する場合
2りんかん | ナップス | |
---|---|---|
ツインサス | 4,400円(税込) | 4,180円(税込)〜 |
モノサス | 9,350円(税込) | 11,330円(税込)〜 |
タンク・カウル脱着別料金
モノサスのほうが交換の難易度が高いため、工賃が高くなっています。特に車重が重たいモノサスは、リアサスを外した際に後方へ荷重が一気にくるので大変です。
リアサスを持ち込んで交換する場合
2りんかん | ナップス | |
---|---|---|
ツインサス | 8,800円(税込) | 8,360円(税込)〜 |
モノサス | 18,700円(税込) | 22,660円(税込)〜 |
タンク・カウル脱着別料金
モノサスの部品持ち込みは非常に工賃が高いので、お店で購入できないサスなどを除き、お店でパーツを購入して取り付けるのが良いです。
ローダウンキット
2りんかん | ナップス | |
---|---|---|
通常工賃 | 19,250円(税込) | 要見積もり |
持ち込み工賃 | 38,500円(税込) | 要見積もり |
フロントサス、リヤショック、 サイドスタンド交換含む
ハンターカブの場合はツインサスの工賃が発生します。また、マフラーやエアインテークのダクトを外す必要があるので、別途工賃が発生します。
−40mmのローダウンの場合はフロントフォークの突き出しの変更作業も行う必要があり、さらに工賃が発生します。2りんかんだとローダウンキットを取り付けるための必要な作業をまとめたプランがあります。
かかった費用や用意するパーツのまとめ
ハンターカブのローダウンについての解説は以上です。推奨する部品については下記の通りです。
25mmローダウン
40mmローダウンキット
工具・部材
ローダウンと合わせてブーツを厚底にすることで、身長150cmでも劇的に足つきが良いハンターカブに変わりますよ!
一般的な車種のリアサス交換については下記で解説しています。