この記事ではMSR|HUBBA TOUR 2をレビューしていきたいと思います。バイクツーリストな私にとって、このテントは最高の旅を演出してくれる非常に良き相棒です。
テントを張るだけで広々とした前室を作り出せるモデルで、ポールも生地も軽いです。特に
雨の日などテントで過ごす時間が増えるとき、安心できてくつろげる空間がある
ことはメリットですし、タープを張らずともテントの設営だけで済んでしまう点が最高のポイントです。ツーリングの際はこのテントで2週間ほど旅をしましたが、不満点はほとんどありませんでした。
でも、MSRのラインナップからは外れてしまいました
でもやっぱり、このテントは良いテントだと思います。そこで、アーカイブ的にこの記事を作成しました。
目次
MSR|ハバツアー2の魅力ポイント3選
始めに、私がハバツアー2を選ぶポイントについて解説します!
広々とした前室があり、悪天候でも快適!
前室をつくるためには、わずか1本のポールとペグだけでこれだけの空間を作ることが出来ます。
設営と同時につくられる前室のボトムシートは地面に物を置いたときに土汚れをつけない為のもので便利です。
室内高さは正座をしたときに頭が天井に当たらないぐらいの高さになります。座って過ごす分には不自由しないのが好印象です。
ドローコードの追加で中も使いやすくカスタマイズ
前室側にフックが2つついています。このフックを利用しつつ、コードを取り付けます。
すると写真のように軽いものなら引っかけておくことが可能になります。
寝る場所とは別に広々とした前室があるからこそ出来る空間活用です。
悪天候でも素早く設営できる
インナーテントは写真のように外側のフライ内側に引っかかっている構造です。これによりテントの組み立てに連動してインナーテントも立ち上がります。
雨の日はインナーテントが濡れないから便利なんですよね。
本体は外側のフレームにフックを引っかけるだけの簡単な設営です。フレームを組み立てて本体にセットし、フックを引っかけるだけの単純な動作で組み立てることが可能です。
大型のフライになると、フレームの上に乗せるのって少し時間がかかります。特に風が強いときはより面倒になりますが、ハバツアーなら、風が強いときでもあまり苦労せずに設営が行えます。
入り口メッシュで蒸れにくい
前室入り口に設けられた大きなメッシュがあるので、テント内部の蒸れを放出することが可能です。
大きなメッシュの入り口以外はメッシュはついていません。虫は入ってきますが暖房器具等を用いた際の換気や、結露を少しでも減らす役割では有効な換気ポイントです。
ご覧の通り、私は悪天候に対して、設営しやすいかどうかでテントを選んでいますね。笑
決して毎回のキャンプが雨と言う訳ではありませんが、行程が長いツーリングの場合、もし雨の日があってもこのテントならいつもと変わらず行動ができる点に注目しています。
ハバツアー2の使っていて気になる点
使っていて不満を感じることはほとんどありませんが、もっとこうだったら良いのに!と思うポイントについて解説します。
前室のサイドウォールについて
サイドウォールはサイドロール式です。ファスナーの開閉や巻き上げの使い勝手は◎ですが、気になるのが雨が降った時に雨が入ってきやすい点です。
コレが仮に跳ね上げ式なら、より居住空間が増えて便利になるのに!と思います。
タープを前室の出入り口付近に張れば解決しますが、せっかく単体での使い勝手が良いテントなので、タープなしで使い勝手を良くしたいもんです。
前室は低い
前室の高さは低いです。少し移動するために動くと頭が天井に触れるときもあり、天井の生地についた結露が頭につくこともあります。
ただ、山岳テントに慣れている人であれば、むしろ高く感じます。笑
居住空間を良くしようとするなら、製品重量は増す方向になります。
朝露の拭き取りは大変
(私の中では)大型テントなので朝露の拭き取りには時間がかかります。ツーリングとなるとできるだけ早朝に出発したいところではありますが、ハバツアーは拭き取る範囲が広いことは了解しておく必要があります。
慣れれば、その拭き取りの時間も心地よく感じる変態に進化します。笑
ハバツアー2の仕様・サイズ
ハバツアーには1人用も展開されています。
ハバツアー1 | ハバツアー2 | |
---|---|---|
収納サイズ | 43 × 17 cm | 53 × 17 cm |
総重量 | 2,320 g | 2,380 g |
室内最大高 | 96 cm | 96 cm |
収用人数 | 1人 | 2人 |
カラー展開 | Red Green | Red Green |
ハバツアー2はこの大きさにも関わらず重さが2.4kgという軽さに収まっている点がこの製品の優れているポイントです。
ブランドの紹介
改めて、MSRについてご紹介します。
MSRはアメリカのブランドで1969年に設立されました。始まりはクライミング用品の開発・研究ですが、テントのイメージが強いのではないでしょうか?
テントに関しては2001年にMOSSというブランドのテント部門を買収しています。このMOSSのテント、アメリカのMoMAに唯一貯蔵されているテントの生みの親であり、大変美しいテントを作るブランドでした。そのDNAを受け継いでいるのがMSRです。だから今のMSRのテントは美しいんですね。
MoMA … The Museum of Modern Art ニューヨーク近代美術館
テントの生地
生地
20D リップストップナイロン
耐水圧:1,200mm
エクストリームシールドポリウレタン&シリコンコーティング
生地は20Dと薄い生地を採用しています。その為生地の耐久性の観点で言えば弱い点もありますが、テントだと傷などのダメージは受けにくいので、軽量化に繋がる20Dの選択は良いと思います。
生地の裏に使われているコーティングはポリウレタンとシリコンの配合です。一般的にポリウレタンだけだと空気中の水分と結合して加水分解を起こします。シリコンを配合することで劣化の進行を抑えます。
フロア素材
30D リップストップナイロン
耐水圧:3,000mm
エクストリームシールドポリウレタン&DWRコーティング
フロア素材は人が乗るので生地のダメージが強くなります。また、耐水圧もそれほど高くないので、地面が濡れている状態で数十秒座ると染みてきます。
このエリアに座るのは問題ありませんが、重たいものを長時間置いておくと沁みてくるので、比較的軽いウェアとかキャンプ道具とかをおくのにとどめておいた方が良いと思います。
メッシュ生地
このメッシュは蚊が入ってこれない目の大きさです。この生地が大きな入り口に採用されています。暑い夏場の季節には便利な機能です。
ポール
7000 シリーズのDAC製 アルミフレーム
7000番台のアルミ合金はアルミ合金の中でも特に高い強度を持つとのことで、テント選びのひとつのポイントとなります。
ファスナー
ファスナーは安心のYKKです。ファブリック製品の最も壊れやすい部材なので、採用実績の多いYKKが使われているのは今や基本であり、最良の選択です。
シームテープ
製品の公式ページにはシームテープを排除したアナウンスがありますが、実際の製品にはすべての箇所にシームテープがついています。
シームテープは湿度の多い場所で劣化しやすいので、保管の際はできるだけ湿気の溜まりにくい通気のある場所での保管が良いです。
テントのサイズ
インナールームの大きさ
マットが約180cmですが、インナーテントの端にマットをひっつけても上部にはこれだけのスペースが空いています。2人で使用しても余裕のある大きさです。
寝室の短辺側にはメッシュの窓があり、ベンチレーションと同じ位置にあるので、通気に優れています。
前室の大きさ
前室は序盤で紹介した通り衣類を余裕もって引っ掻けるスペースがあります。
ハバツアー2
室内と同じぐらいの大きさの前室があるから広いもんです!
ハバツアー2の仕様・機能
入り口をまとめておける
テントの基本機能ですが、入り口の生地をまとめて留めておけます。入り口も大きいので出入りは楽です。
多くのインナーポケット
前室には写真の通り、黒のサイドポケットがついています。
寝室にもポケットがあります。携帯とか充電器とか入れておけば、朝にどこいった?ってことがなくなり便利です。荷物整理をするときにも便利ですね。
インナーテントの上部にはランタン等を入れるスペースがあり、前室も照らせるようになっています。雨の日なんかはテント内で過ごすことが多いので便利な仕様です!
ランタンフック
前室には2ヶ所ランタンフックがあります。リングは大きいので、マルチに使えるフックだと思います。
前室で調理する場合は、ランタンフックに小物入れをぶら下げておくとめちゃくちゃ便利ですよ!
シェルターとして利用
インナーテントはバックルでとまっているので、簡単に外すことができます。
フライと本体はトグルで引っかけているだけなので
これも簡単に外すことが可能です。
シェルターとして使う場合、これだけの開口部があります。
シェルターとして使った場合、4人寝ることは余裕なぐらい広々としています。
白は明るい
ハバツアーの色の展開は白とダークグリーンの2色です。かなり迷いましたが、私は白にしました。
結構目立つのですが、白でよかったな!と感じるのは
明け方の室内がとても明るいこと
です。今まで使っていたテントはもう少し暗かったので、テントの生地の色でここまで変わるんだな、そう思わせられた色でした。
でも、はっきり言います。白は汚れが目立ちます。それを理解した上での選択が良いと思いますよ!
MSR|ハバツアー2の設営・撤収
設営方法
本体を広げる
袋から取り出して、まずは本体を広げます。大きいためどちらが入り口かは瞬時には分かりにくいので、まずはしっかり広げることがポイントです。
ポールを組み立てる
ポールの組み立ては例のごとく、コードがポールのなかに内臓されているため、どこか1ヶ所を持って持ち上げるだけで
自動でセットされていきます。
構造は写真の通りです。
ポールを寝室側の上に置きます。
本体にはポールの受けがセットされているので
はめていくだけの作業です。
ポールのみが立ち上がりました。
引っ掛けるだけの簡単
本体には写真のようなフックがいくつかついています。
最初に組み立てたポールにフックを引っかけていきます。
ポールの真ん中にはテント上部を広げる大切なポールがついているので
これもセットします。いたってシンプルな構造です。
立ち上がれば、四角形の角四ヶ所にペグを差します。
本体が大きいため風が吹いたとき飛ばされてしまう恐れがあるため、楽に打てる環境であれば、ペグダウンはしたほうがいいです。
もしペグを刺すことができない環境(例えばコンクリートの上)の場合は「ペグを使わない設営」がおすすめです。
前室をつくる
メインが立ち上がれば次は前室の組み立てです。といっても、方法はとても簡単です。
メインフレームとは別に前室用のポールがあるので、スリーブに通していきます。このスリーブは出口まで引っ掛かることなく
セットするとそれらしき形になりました。
あとは写真下の1ヶ所をペグダウンすれば前室の完成です。風が強いときは、すべての張り綱をペグダウンしますが、通常はコレだけでもOKです。
ペグダウンのポイント
ペグダウンは写真の状態で4ヶ所、角となる箇所にペグを差します。
その他のペグポイントとして
寝室の短辺側はベンチレーションがあります。
ペグダウンすることで、張りが生まれます。ペグダウンなしでもベンチレーションは機能しますが、風が強いときは潰れてしまうので、必須です。
ペグを刺す際は張り綱に対して90度の角度で打つことが推奨されています。見た目も綺麗ですね。
前室には3本ロープがセットされています。
ここも張るとテント上部の張りが綺麗になります。
寝室側に戻り、赤い三角形の上部にロープがついています。前室側でも引っ張っているので、すべてのロープを張るとかなり耐風性に強くなります。
本体にセットされているロープの本数は通常の小型テントに比べかなり多いです。その為にすべてを張るとなると時間がかなりかかります。
風の穏やかな日に置いては必要な箇所数本だけでも安定するので、シーンに応じた設営で時短を目指せます。
ペグが使えない場所での設営方法
ここからは例えば地面がコンクリートでペグを刺せない場合の方法です。
ハバツアーは自立テントとなっています。その真意を確かめたいと思います。
バイクを写真の通りに配置します。ちなみに、バイクはセンタースタンド付き車種が圧倒的に安定して設営出来ます。サイドスタンドは不安定ですのであまりおすすめしません。
本来ならペグを刺すこところにカラビナで延長ロープを取り付けます。
このロープをセンタースタンドに取り付けます。
ロープを引っ張ってもバイクが動かないことを確認します。
前室には重りとしてバッグを置きます。荷物が軽すぎる場合はバイクのジャケットやヘルメット、回りを見渡して石があれば置くことで重りとして代用できます。
設営が完了したテントの張り具合は写真の通りです。ペグダウンなしでも設営することができました。
バイクと連結すると、ここまで設営が可能です。テントにテンションはあまりかかっていないですが、それなりに空間を保っていることがわかります。設営も簡単なので、ツーリングにはメリット大ですね。
収納サイズ
内容物をすべて袋に入れた状態が写真の通りです。
バイクのリアキャリアに積載するとこんな感じ。大きいので、これだけでも積載としては大きな荷物です。
サイズの比較として、1番右が今回紹介しているテントです。圧縮していないのでもう少しサイズダウンすることは可能です。その隣にあるのが山岳テントの2人用テントなので、同じ2人のテントとして比較してもその差は明らかです。
撤収方法
撤収も簡単です。フレームに引っかけたフックを外し、前室用のポールを外します。
前室用のポールはスリーブ式なので、引くのではなくポールを押して外します。
本体のみとなりますので、収納袋の幅になるまで畳みます。
収納袋は大きめのサイズに作られているので、大雑把にいれても入れやすいのが特徴です。
他社と比較するとハバツアーの魅力がわかる!
MSR ハバツアー2 | OGAWA ステイシーST-Ⅱ | ドッペルギャンガー バイクツーリングテント1 | モンベル クロノスキャビン2 | |
---|---|---|---|---|
価格(税込) | ¥100,440 | ¥46,200 | オープン価格 実売:¥17,980 | ¥32,780 |
総重量 | 2.4 kg | 3.9 kg | 2.8 kg | 4.3 kg |
収納寸法 | 48 × 17 x 17 cm | 52 × 19 × 19 cm | 45 × 16 × 16 cm | 50 x φ17 cm(ポール除く) |
フライ | 20Dナイロン (耐水圧1,200mm) | 75Dポリエステル (耐水圧1,800mm) | 20Dナイロン (耐水圧2,000mm) | 75Dポリエステル (耐水圧1,500mm) |
寝室サイズ | 132 cm | 150 cm | 80 cm | 130 cm |
それぞれ比較すると、各モデルの特徴が見えてきますが、1番気になる価格については1万円代〜高いもので10万と開きが大きいですね!
スペックから見えてこない、テントのオススメポイントを解説します。
値段の安さはバイクツーリングテント
何と言っても価格は安いですね!そして、個人的にオススメしたいポイントは、ハバツアーのような使い勝手を低価格で実現している点です。
やはりテントにそんなお金かけてられない!という方にオススメできるモデルですし、このテントの形は使い勝手が良いので、一度使っていただきたいものとなっています。
ただ、一箇所気になるのが、前室に使うポールのスリーブが途中で切れているので、
ポールを通す際に何回かの補助がないと通せないなと思います。
居住空間の快適性はステイシー
ステイシーは前室が他のモデルに比べて高く、居住性がとても良いです。特にテント内で過ごす時、前室にいる時間の方が長いので、快適性は重要です。
あと、ステイシーなら壁面をあげて、タープのような抜けのある空間を作ることも可能です。
コレが人気の秘訣ですね!
設営のしやすさはハバツアー2
スペックから見えてこない使い勝手として、私はつり下げ式の設営のしやすさでハバツアーをオススメしたいです。この手のツーリングテントは幕が大きいので、被せる方式より吊るして設営する方が短時間で済みますし、わかりやすいです。
MSR|ハバツアー2は名作テントです
このテントはツーリングに関しての良き相棒です。晴れたツーリングであれば正直なところ大きすぎるので使いませんが、雨の日がある長期ツーリングやタンデムツーリングであればこのテントが活躍します。
今年、北海道でタンデムツーリングした際も役に立ちました。そのほかの道具も下記でご紹介しています。
最後までご覧いただきありがとうございます!
この記事がテント選びの参考になれば幸いです
下記ではバイクキャンプツーリングで特にオススメな道具をまとめて紹介しています。
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