この記事では新しくなったモンベルのステラリッジテントをレビューしていきたいと思います。私とステラリッジの関係は、8年前に登山のために初めて買ったテントがステラリッジテントで、これでいろんな場所へ行ったものです。
その間にステラリッジはアップデートを繰り返し今に至ります。
外見は変わっていないように見えますが、試し張りしてすぐに気づきました。すごいアップデートしてる!んですよね。以前の製品レビューはこちらで解説しています。
ステラリッジは信頼できるテントとして間違いなくお勧めできるテントです。その想いをこの記事で解説していきたいと思います。
目次
モンベル|ステラリッジテント2型の魅力ポイント
はじめに、ステラリッジテントを使いたくなる魅力ポイントについて解説します!
耐風性に優れる緻密な設計
ステラリッジテントは山岳テントなので、耐風性に優れています。
特に私が感心するのは、ペグダウンした時のこの力強い張りです!どこも皺が目立たつしっかり張れるのがステラリッジテントですね。
あと、ダブルウォールながらこのコンパクトはサイズからは想像できないほどしっかりフライとインナーテントの間の空間確保ができます。どこかの生地がたるんでくっつくこともない張りの強さがあります。
引っ掛け式の設営の楽さ
以前はフレームをテント本体のスリーブに差し込んで設営する方法でした。新しいステラリッジテントは吊り下げ式に変わり、設営がよりしやすくなりました。
個人的には吊り下げ式よりスリーブ式の方が設営しやすいと感じますが、ポールの撤去にはそれなりのコツがあるので、吊り下げ式の方が多くの方にメリットのある仕様となります。
自立テントだからこその使い勝手の良さ
自立テントのメリットはペグダウンなしでも設営可能ですが、もう一つのメリットとしてインナーテントのボトムを乾かすことも可能です。
簡単にひっくり返るので、インナーテント内の汚れ等を出すのも簡単ですよ!
旧製品より軽くなった!
私が持っていた15SS〜ステラリッジテントと比べてみます。
20SS〜 ステラリッジテント | 15SS〜 ステラリッジテント | |
---|---|---|
価格(税込) | ¥46,970 | ー |
総重量 | 1,430 g | 1,570 g |
収納寸法 | 本体:φ14.5 x 30 cm ポール:φ5 x 41 cm レインフライ:φ9.5 x 21 cm | 本体:φ14 x 31 cm ポール:φ5 x 41 cm |
フライ | 20Dナイロン 耐水圧:1,000mm | 30Dナイロン 耐水圧:1,500mm |
ポール | 吊り下げ式 | スリーブ式 |
寝室サイズ | 130 cm x 210 cm 高さ:105 cm | 130 cm x 210 cm 高さ:105 cm |
新しいステラリッジは100gほど軽くなっているのは生地が薄くなったことによるものです。生地が軽くなったことで
フライをかける時の動作が軽い!
というメリットもあります。あと生地の厚みが薄くなって通気が少し上がったのか、収納する際も空気抜けがよく楽に収納することができました。
以上ステラリッジテントの魅力ポイントでした。今回のアップデートは旧ステラリッジからの変更点として
- インナーテントの取り付けやすさ
- 生地の軽量化
の2つが変わったので、別物として捉えても良いと感じました!
モンベル|ステラリッジテントの使って気になるポイント
続いてステラリッジテントの使っていて気になる点を解説します。旧モデルと同様の内容なので、ステラリッジテントの仕様・サイズへ読み飛ばしてもらってOKです!
夏のツーリングテントとしては不向き
ステラリッジテントのインナーテントはメッシュと比べると通気性はほとんどありません。その分気温がぐっと低くなる秋のシーズン、および冬のシーズンはとっても使いやすくなります。
逆に気温が下がらない夏の使用は蒸し暑く、快適には寝れないほどになります。
入り口は短辺だけど仕方ない
私はテントの長辺側に入口が欲しい人です。その方が圧倒的に使い勝手が良いからです。でもステラリッジテントは短辺側に入り口があります。
ただ少しづつ入り口が大きくなっている気がします。前のモデルとの比較ができませんが、高さと幅が少し広くなっていれば出入りはしやすくなっていますね。
フライの引っ掛けは少し力が必要
インナーテントはテンションによって少し力強く持ち上げる必要があります。風が吹いていない状況なら良いのですが、風が強いときは持ち上げたインナーテントが風を受けて、なかなか引っ掛けにくい状況になります。
フライトの連結部は土汚れが溜まりやすい
これは歴代モデルからずっとですが、テープとポールとフライを引っ掛けるループの構造が土汚れを貯めやすい構造になっています。
ステラリッジテントの仕様・サイズ
続いてステラリッジテントの基本スペックを確認していきます。
テントの生地・部材
フライ
20デニール・ナイロン(リップストップ)
耐水圧1,000mmウレタン・コーティング
生地は従来の30デニールから20デニールへ変更となり、フライの重さも420g→350gへ軽量化されています。
フロア
フロア:30デニール・ナイロン(リップストップ)
耐水圧1,500mmウレタン・コーティング
フロアの生地も軽量化されました。耐水圧が1,500mmなので、地面が多少濡れていると長時間座ることで多少水の染み込みがあります。
メッシュ
メッシュは蚊が入り込めない細かいメッシュになっていますが、通気も多少止まってしまいます。
ポール
7001 超々ジュラルミン DAC製
新しいステラリッジテントのフレームはアップデートされました。
センターが連結されていて、バラバラにならずに組み立てが楽になりました。
以前あったフレームのグリップは今回のフレームにはついていません。このグリップ、個人的に使い易かったので残念です。
ファスナー
YKK ビスロンジッパー
フライのファスナーはビスロンジッパーです。コイルジッパーと違って
- 開閉がスムーズ
- 冬季、氷が詰まって開閉できないことが少ない
当のメリットがあります。山岳テントならではの仕様ですね!
インナーテントもビスロンジッパーです。会計はスムーズでストレスがありません。
シームテープ
角もしっかりシームテープが施されています。浮きもなく、かなり綺麗に貼られているので、このあたりが品質の差に現れてきますね。
グロメット
インナーテントにはポールを受けとる場所が2箇所あります。
基本は外側にポールをセットしますが、使っているうちにテントは伸びてくるので、そのときはポールをはめる位置で調整します。
ガイライン
テントに付属するガイラインの取り付けはフライに取り付ける仕様に変更となりました。
以前はガイラインをインナーテントに通して、フライにあるスリットから貫通して張る仕様でした。
使い勝手は新しいテントの方が便利で良いですね!
テントのサイズ
インナーテントサイズ
身長180cmの私がテント内で、エアマットの上に座っても頭は天井に当たりません。最小限のテントサイズにしつつ、室内空間は最大限!を狙ったギリギリのサイズで使い勝手が良いです。
ただ、幅についてはエアマットが両端ギリギリの大きさです。2型は2人寝れる大きさのテントですが、荷物等を置くスペースはほとんどない程度なので、1人で使うのが荷物もテント内に置けるしでおすすめです。
前室のサイズ
前室においては、シューズ2足を余裕をもって置くことができます。ただ、短辺側の前室はあまり広くないのが正直なところです。
収納寸法
収納寸法については、実測で測定した寸法を記載しています。かなりコンパクトなサイズで、バッグに入れて携帯するにも十分コンパクトなサイズです。
カラーラインナップ
ステラリッジテントでは本体とフライに別れ、フライは4色から選ぶことができます。この中で私はイエローを選びました。イエローはキャンプ場では目立つものの
山でテントを張ったとき、特に雪中の黄色はカッコイイ
という理由です。もしツーリングテントで選ぶなら白もオススメです。
明け方は白はテント内が明るいメリットがあります。
ステラリッジテントの機能
インナーテントの扉は内側から操作可能
メッシュ部分は冷気が入ってこないようにカバーがあるのですが、アップデートで内側からカバーの開閉ができるようになりました!
以前は一度扉を開けて外側から操作する必要がありましたが、内側にあれば扉を開けずともメッシュ部を閉じることが可能です。
ルーフにマルチループが複数ついている
インナーテント内にはマルチに使えるループが天井付近と中段にもループが追加され、合計8つのループが付いています。
細引きを取り付けて荷物整理に使うも良し、
オプショナルロフト ドーム用
画像引用:https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1122331
オプションのルーフネットをつけることで荷物を置くことも可能です。
枕元にポケットあり
入り口付近にポケットが一箇所だけあります。私はここにライトとかを収納していると、いつも撤収時に回収するのを忘れて閉じ込めることがよくあります。笑
ベンチレーションあり
ベンチレーションは1箇所、サイドに付いています。
パターンが多少変更になり、閉じた際の生地の余りが少なくなりました。(そう感じますが、変わっていなければすみません)
ステラリッジ2の設営・撤収
撤収方法について解説します。設営はあまり難しいテントではないので、説明書なしでも組み立てが可能です。
設営方法
ポールについては、センターとなる場所を見つけます。
センター部を真上に持ち上げます。
すると自動でセットされてゆくので便利です。
ゴム紐ループの真ん中を通って、ポールをグロメットの一番外にセットします。
ここまでセットできれば、インナーテントをフレームに吊り下げていきます。
はじめにセンター部を取り付けます。
フックをポールに掛けていけばインナーテントの組み立ては完了です。
フライは4箇所に金属製のフックが付いています。インナーテントに取り付けられたゴム紐ループに引っ掛けます。4箇所のうち、最後に取り付ける1箇所は取り付けに力が必要です。
ガイラインは4箇所取り付けが可能です。1度取り付けてしまえば、撤収時に外す必要はありません。次回の設営時に楽になります。
ガイラインを張る角度は、写真のようにテントの辺に沿って角度を合わせます。
ペグはガイラインに対して90度で打ち込みます。
テントのサイドにはゴム紐ループが取り付けられているので、張りが強くなる位置でペグダウンします。ここで張りが弱いと結露した水滴がインナーテントに触れて、染みてくる原因となります。
ペグラウンをすると、綺麗な張りになるのが、ステラリッジの完成度の高さを感じる瞬間ですね!
撤収方法
撤収については組み立ての逆の手順を辿ればOKです。
ポールの収納のポイントについては、真ん中から分割するようにして、ポールの中に入っているゴムが伸びきらないようにすると良いです。
もしゴムが伸びきったとしても交換は可能です。
他社とステラリッジテントを比較する!
ステラリッジの仕様や機能を確認したところで、他のテントと比べた際のステラリッジの良さについて見てみましょう!
2人用テントで比較します
モンベル ステラリッジテント | アライ エアライズ2 | プロモンテ (ダンロップ) アルパインテント | Finetrack ファイントラック | NEMO TANI™ 2P | |
---|---|---|---|---|---|
価格(税込) | ¥46,970 | ¥48,400 | ¥52,800 | ¥68,200 | ¥63,800 |
総重量 | 1,430 g | 1,550 g | 1,490 g | 1,460 g | 1,180 g |
収納寸法 | 本体:φ14.5 x 30 cm ポール:φ5 x 41 cm レインフライ:φ9.5 x 21 cm | 本体:φ15 x 30 cm ポール:φー x 38 cm | 本体:φ15 x 25 cm ポール:φ9.5 x 43 cm | 本体:8 x 17 x 27 cm ポール:φー x 39 cm | ー |
フライ | 20Dナイロン | 30Dナイロン | 20Dポリエステル | ナイロン | 15Dナイロン |
寝室サイズ | 130 cm x 210 cm 高さ:105 cm | 130 cm x 210 cm 高さ:105 cm | 120 cm x 205 cm 高さ:100 cm | 130 cm x 212 cm 高さ:105 cm | 120 cm x 220 cm 高さ:104 cm |
フレーム | 吊り下げ | スリーブ式 | 吊り下げ | スリーブ式 | 吊り下げ |
入り口 | 短辺 | 短辺 | 長辺 | 長辺 | 長辺 |
山岳テントとして似たスペックを持つテントを対象に表を作成しました。
ちなみに他に軽量なテントは探せばたくさんありますが、ダブルポールの仕様かつフライの引き裂き強度に関する記述のある製品をピックアップしています。
2021年、山岳テントのスタンダードは1,400g代!
これは各社が似せているのではなく、耐風性や耐久性を考えればこの辺りのスペックに必然的になるということですね。
その中で軽さと値段の安さで言えばステラリッジテントが優れたモデルとなっていますし、今回張ったときに感じる安心感からも完成度の高いテントと自信をもってオススメできます。
軽量モデルの選択肢はたくさんある
行く場所のテント場の状況がわかっていて、気候も安定していそうなら私は間違いなく軽量なテントを選びます。やはり軽いのは正義なので。笑
使い勝手を重視するなら出入り口は長辺に!
山岳テントを選ぶ中で好みの分かれる入り口は長辺側にあるべきか、短辺側にあるべきか、の判断は、使い勝手で見れば間違いなく長辺側が便利です。
出入りがしやすいですし、前室が広いモデルが多いので、料理をしたりするのもお手のものです。
合わせて使いたいオプションについて
最後に、このステラリッジテントを使う上で合わせて使いたいオプションについて解説します。
グラウンドシート
グラウンドシートについてはインナーテントのボトムを摩耗や水から保護する目的もありますが、撤収時はこのグラウンドシートを一番最後まで残しておくことで荷物置き場として使えるメリットがあります。
エクステンドレインフライ
エクステンドレインフライは前室を拡張するものです。これによりステラリッジテントの前室の狭さを解消するアイテムとなります。
山岳テントとしては少し大きいのですが、前室の広さを重視するなら
も前室がとても広いテントなので参考になると思います。なお、こちらのエクステンドレインフライは
2018年以前製造のモデルには取り付けできません
ご注意ください。
以上モンベル|ステラリッジテントのレビューでした!私のようにステラリッジを買い直す人は少ないと思いますが、それだけステラリッジは魅力的な製品だと思うし、毎回張った時の安心感と言いますか、好きなんですよね。
レインフライについては黄色は目立つのですが、でも山に張った時はその黄色がむしろカッコいいので、迷わず黄色です。ツーリングテントに使うなら、お勧めは白です!テント内が明るくていいですよ。
モンベルのステラリッジテントが欲しい!方は全国のモンベルショップ、もしくはオンラインストアで購入が可能なので、チェックしてみてくださいね!
最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました!
この記事が道具選びの参考になれば幸いです!
エアライズのパクリ
しかもスペック最強にするために性能ダウンしている
ステラリッジ2+エクステンドレインフライかMSRハバツアー2(売ってませんが)だったらどちらが良いですか?
私も軽さは正義だと思います。
ハバツアー2は積載した時の大きさが気になるのですがどうでしょうか。
あと前はR1200GSに乗られてたようですがパワーはあるかもですがやはり重いから変えたのでしょうか。
宜しくお願いいたします。
こんにちは!
荷の大きさを小さくすることが大事だと思えばステラリッジが良いですが、使い勝手は総じてハバツアーの方が良いと感じます。山岳テントは総じて暑いので、夏のツーリングは修行です。笑
ハバツアーの収納サイズは確かに大きいですが、他の荷物をコンパクトにしておく(椅子とかテーブルとか)のもまた重要な要素かなと思います!
R1200GSは引っ越しに伴い保管環境が変わったので、仕方がなく手放しました。欠点をほとんど感じないバイクで、次乗るならR1250GSアドベンチャーにしたいなと感じるほどまた乗りたいバイクの一つです。
早速のお返事をありがとうございます。
ハバツアーの方が総合で良いと言うことですね。
R1200GSはそのような事情があったんですね。
ありがとうございます。
因みにハバツアーの時、その下に敷くシートは使ってましたか?
雨でも必要性は感じなかったでしょうか。
宜しくお願いいたします。
R1200GSは確かに重たいですが、センタースタンドの前後重量配分だったり、リアのグリップの持ちやすさなど扱う上での操作性が特に良くて扱いやすいですよ!
私はモンベルのグラウンドシート2型を使っていました。僅かに小さいぐらいなので使用に何ら問題はありませんでした。
雨だと使った方がボトムからの浸水はかなり軽減しますよ!ボトムの保護にもなるので、合わせて使うのがオススメです。
参考になれば幸いです!
ありがとうございます。
なるほどモンベルのグラウンドシート2ですね。ステラリッジ2も前の型(スリーブ通す)の持っててグランドシートもそれ用のを持ってます。
参考にさせて頂きます。
また何かありましたら質問させて下さいませ♪