タンク内防錆コーティングの施工手順解説【花咲かG+ワコーズのタンクライナー】

この記事では私が行った花咲かGでのサビ取りとワコーズのタンクライナーの施工手順を解説します。今回施工したタンクは

新品のタンクにタンクライナーを施工

しています。

ワコーズのタンクライナーについて

はじめに、タンクライナーを施工するメリットは下記の3点です。

  • 錆びやすいタンク内側を防錆コーティングする
  • 錆の進行を抑える
  • ガソリンや添加剤に侵されない強力な塗膜を形成する

その為、長期的に状態の良いタンクに仕上げることが可能です。見た目だけじゃなく、内面も大事です!

とくに廃盤となった車種においては新品のタンクの入手が難しい状況もあるかと思います。そんな時は、今あるタンクの状態が悪化する前に!タンクライナーで劣化の進行を抑えてあげるのが良いです。

タンクライナーでコーティングする手順

タンクライナーでコーティングする行程としては下記の通りです。

タンク内のサビを落とす

新品のタンクであれば、不要です。

タンクライナーを注入する

主剤・硬化剤を混ぜたものを入れます。一度作ったものは硬化するので、再利用はできません。

加熱乾燥させる

適温は70〜80℃となります。

硬化後、2回目のタンクライナーを入れる

STEP.2〜3をもう一度行います。(2回施行)

この手順で作業していきます。作業行程としては1日では終わりませんので、数日にかけて作業していきます。また、乾燥の行程もあるので、気温が高い日の方がサビ落しの行程も含めて作業しやすいです。

施工前の注意点

施工したタンクライナーは完全硬化すると、強力な溶剤でも剥がすことができないものとなります。一度施工すると元に戻せない点に注意してください。

また、溶剤の硬化には時間がかかります。完全硬化するまではタンクの使用を控えるようにしてください。

タンクライナーの施工の難易度は難しい

しかしタンクライナーは手軽にできるものでもありません

  • タンクを外す必要がある
  • タンク内のガソリンを別に容器に移し、タンク内を洗浄・乾燥させる必要がある
  • コーティングの施工は一日では終わらない

ざっと書くだけでもこれだけの手間がかかります。だから、100台あれば実際に施工している人は本当にわずかです。

オススメの方法とはタンクを買う

タンクライナーを最も手軽に行う方法としては、新しいタンクをもう一個買うってのがオススメです。

私が乗ってるGN125も純正ではありませんが、Amazonで検索すればタンクが新品で買えるんです。ぜひ自分のバイクのタンクがあるか調べてみてください。

タンクライナー施工前の準備 【サビ落し編】

はじめにタンク内のサビを落としてきますが、そもそものサビの発生源について理解しておきます。

古くないバイクのタンク内のサビ

古くないバイクのタンク内のサビはタンク内の水分によるサビと考えられます。これはタンク内の燃料が少ししかない状態が続くとき、タンク内の空気が結露し、水滴が発生するものの影響です。

この程度のサビであれば、後ほど紹介するサビ取り剤で比較的綺麗に取れます

腐食は進行している?

サビの進行具合としては軽度なので、腐食はあまり進行していません

程度が悪いと、サビ取り剤で穴が開くこともあります。

古いバイクのタンク内のサビ

年式が古いバイクとなるとタンクのサビが進行し、場合によってはタンク内全面にサビが回ってることもあります。または腐ったガソリンが固形化し、その表面にもサビが進行している場合があります。

この状態になるとサビ取り剤でのメンテナンスは難しく、タンクを割って中を削ったりする方法もあります。

バイクの場合はタンクの中が確認しやすいので、程度によっては状態の良いタンクを探す方が手間がかからないかと思います

花咲かGでタンク内のサビを取る

コーティングする前に、必ずタンクの中のサビを落とす工程を最初にします。新品のタンクの場合は、中を確認し、度がないことを確認できればサビ取りの行程は不要です。

MEMO
新品のタンクでも、写真のように保管環境によっては表面のサビが進行していることもあります

サビ落としで定評なものは花咲かGです。

花咲かG
価格¥5,500(税込)
容量1L(20倍希釈で20L分)
再利用可能

タンククリーナーを使う理由は下記の通りです。

  • サビを取りつつ、金属へのダメージは極力避けるケミカルであること
  • 新たなサビの進行を抑えるコーディングも同時に施工可能
  • 塗装面を傷めない成分であること

この3点が大事です。特に、防錆剤がないと、クリーナーを抜いた途端に錆が再発します。

花咲かGは上記2点ができるクリーナーであり、繰り返し使用できるケミカルでもあります。他に複数の施工予定がなければ1回限りにはなりますが、その効果は強力なのでオススメです。

しっかり油分を取り除く

花咲かGを入れる前に、まずはしっかり油分を取り除きます。タンクについている部品は全て外しておきましょう。中性洗剤を使って、タンク内をしっかり洗浄します。

タンク内の内側を触ることはできないので、念入りに何回も水を入れ替えて洗浄しましょう。この時高圧洗浄機があると、しっかり洗剤成分を落とすことができるので、活用します。

注意
既にサビの進行が激しく進んでいるものへの高圧洗浄機は厳禁です。水圧でタンクに穴が空いてしまいます

花咲かGを使うまでの準備

ボルト穴や燃料用の穴など、タンクの下部にある穴は全て塞ぎます

完全に密閉できれば問題ありませんが、完全に塞ぎきれなかった場合や、タンクに小さなな穴が空いてしまった場合に備えて大きなバスケットを用意しておくか、漏れてもOKな屋外で作業します。

花咲かGを入れて、数時間〜1日放置する

花咲かGはお湯と合わせて使うと効果的にサビを落とすことが可能です。

使用方法

水または40〜50度のお湯で最大20倍に薄めた花咲かGを作ります。

薄めた花咲かGは、タンク用とサビ取り後のリンス用の2つに分けておきます

より効果的にサビを落とすには、希釈用にお湯を用いて作業します。

例えば大型クーラーボックスをお持ちでしたら、この中に入れてあげることで花咲かGの液温が下がりにくいメリットがあります。

花咲Gの希釈の程度により、放置時間が多少異なります。

写真程度の軽度なら、20倍希釈で一日放置すれば十分でした。

施工後のタンク内は赤サビが黒サビへと変化しています。錆がひどい場合は、水道ホースの水圧を当てることで、錆が落ちやすくなるので、洗い流します。

錆がひどい場合は、再度花咲かGを入れて放置します。

MEMO
最長でも一週間までの放置にとどめておいてください

錆が取れたら、最後にリンス用に分けておいた花咲かGをタンク内に入れて、全体にいきわたるようにすれば完了です!


以上がサビ取りの行程です。希釈済みの花咲かGは再利用できるので、再度容器に入れて保管が可能です。

ワコーズ|タンクライナーの施工 【コーティング編】

タンクライナーについては、サビ取りを行なった後、できる限りすぐに施行するのが理想です。なぜなら

  • サビ取り後のタンク内は錆が再発しやすい
  • 1週間の放置で再び錆が発生していることもある

ためです。花咲かGはそのサビの進行を抑えることはできますが、油断は禁物です!

タンク内を乾燥させる

中が乾いていない場合、ドライヤーを使って乾燥させましょう。

MEMO
ドライヤーは後の乾燥の行程でも必要なので、用意しておいたほうが作業効率が上がります

タンクライナー施工にあたり、水分が残っていると施工不良になるので、完全乾燥させてください。

タンクの底部を密閉する

花咲かGの手順同様、ボルトとテープを使って穴を塞ぎます。

MEMO
ボルトの先も同時にコーティングされるので、再利用はできません

タンクキャップ口周りもマスキングテープで養生し、タンクライナーが誤って付かないようにします。

タンクライナーをそそぐための準備

ワコーズのタンクライナーは2液性のコーティング剤なので、説明書の通り、主剤と硬化剤を8:2の割合で混ぜます。

この時、気泡が入り込まないようにゆっくり丁寧に攪拌してください。

MEMO
GN125はタンク10Lです。主剤96ml+硬化剤24mlの計120mlです

タンクラーナーをタンク内に馴染ませる

タンク内にコーティング剤を入れます

注意
タンク表面についてしまった場合はすぐに拭いて取り除きます。注ぎ口にもテープを貼って、養生します

タンクキャップに蓋(ガムテープなど)をして、タンクを回転させながらコーティング剤を全体に行き渡らせます。この時漏れないようにしっかりテープで養生してください。

中が見えない状況なので、面倒ではありますが、少しづつ回転させつつ、左右にしっかりコーティングを行き渡らせる必要があります。

【重要】タンクライナーを抜き取り、道具を清掃する

今回のタンクは10Lなので、コーティングを120ml入れましたが、全体に行き渡らせるために多めにコーティング剤が入っている状況です。その為、過剰分は抜き取ります。

MEMO
WAKO’Sのタンクライナーは抜き取り工具が付属しています

また、抜き取った後は計量カップ・抜き取り工具の清掃を行います。二液性のタンクライナーは硬化が早く、固まると取れなくなり、道具の再使用が出来ません

熱を加えてしっかり乾燥させる

タンクを段ボールの中に置き、ドライヤーなどで室温を上げてしっかりコーティングを硬化させます。

注意
加熱しすぎるとコーティング面に気泡が出てしまい、コーティング不良となります

直接温風をタンクに当てないように、ドライヤーを固定してあげましょう!

MEMO
取扱説明書には70~80℃を20〜30分間と表記されています。また、自然乾燥でも硬化させることは可能です

日光で硬化させる場合は日の当たる場所に置き、2日以上の放置で硬化させることが可能です。

最終仕上げ

乾燥後、内部を目視し、コーティングがしっかり行き渡っているか確認します。見えにくい部分もありますが、給油口や燃料口からライトで中を照らして、見える範囲は確実にチェックしておきましょう!

MEMO
コーティング作業は同じ作業をもう一度行うことが推奨されています

燃料コックや燃料キャップを取り付けて終了です。

タンクライナー施工のまとめ

この記事では

  • タンクライナー施工前のサビ取りの方法
  • ワコーズ|タンクライナーの施工方法

について解説しました。今回使用した道具は下記の通りです。

  • ワコーズ|タンクライナー
  • 花咲かG
  • ドライヤー
  • ダンボール(タンクが入る大きさ)
  • 中性洗剤(タンク内洗浄用)
  • 養生テープ(穴を塞ぐもの
  • ボルト(フューエルコック用)

以上でタンク内のコーティングが可能で耐久性の高いタンクに仕上がりました!タンクのコンディションがよくなれば、次はガソリンに添加剤を加えて、エンジン内部のカーボンを減らすフューエルワンでメンテナンスするとよりコンディションが良くなります。

最後までご覧いただきありがとうございます!

この記事がバイクのメンテナンスの参考になれば幸いです

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