今や事故のみならず、事件にいつ会うかわからない世の中になりました。法定速度で走れば煽られ、場合によっては暴行事件に発展する可能性があるあおり運転は重要な社会問題です。
ドライブレコーダーの大切さについてまとめた記事は下記です。バイクにとって最適なドライブレコーダーについても併せて解説しました。お時間あれば、併せてご覧ください。

この記事では、実際にBMWのバイクに取り付けるまでを解説して行きたいと思います。
目次
ドラレコ(EDR-21)の仕様について
バイクにドライブレコーダーを取り付けるにあたり、チョイスしたアイテムはミツバのEDR-21です。改めて、ミツバのドラレコについて表にまとめました。
カメラの数 | GPS | 防水 | |
---|---|---|---|
EDR-21G | 2(前後) | あり | ○(IP66/IP67) |
EDR-21 | 2(前後) | なし | ○(IP66/IP67) |
EDR-11 | 1(前のみ) | なし | ○(IP66/IP67) |
基本的な録画性能は変わらず、カメラの数とGPSがあるか無いかの違いとなります。
後方カメラ…煽り運転や追突事故の記録が可能です
今回選んだのはGPSのないEDR-21です。
早速、取り付けるに当たって必要な情報を見ていきましょう。
配線の仕様について

EDR-21の構成は上記になります。
消費電流は動作時平均で12V|0.35Aとなります。かなり消費電力は少ないです。比較として、グリップヒーターを最大モードで動かした場合、3A近くとなります。(モデルにより消費電流は異なります。
この消費電力の割合は、この動画を見ればなんとなくのイメージができると思います。発電量の少ないバイク(125cc等)でも、当ドライブレコーダーの取り付けは問題なさそうです。
カメラステーも付属

カメラにはベースがついているので、両面テープで固定ができます。車種によっては平面で固定ができて、撮影に車体が干渉しないような最適な位置がない場合はオプションのアダプターを使うことでスマートに取り付けが可能です。
対応可能なメモリーカードサイズ

メモリーカードは最大256GBに対応しています。それに伴う記録時間は下記の通りです。
画質 \ 画像サイズ | 1080P FHD | 720P HD |
HIGH | 15時間41分 | 23時間34分 |
MID | 19時間29分 | 28時間59分 |
記録時間を超えた分には上書き録画となります。
手元のスイッチで録画した分に関しては上書き保存されない

任意で撮りたいタイミングがあれば、前後15秒の録画が可能な「手動録画」にも対応しています。この記録ファイルは上書き保存で消えないファイルとなります。
電源の確保を行う
電源の採り方にはいくつか方法があります。
バッテリーから直接電源確保する

「バッ直」と呼ばれるこの電源確保の方法はとても簡単で、ケーブルをそれぞれバッテリーのプラスとマイナスに接続するのみです。これで電源を直接バッテリーから取ることが可能です。
この方法はケーブルを配線にキボシで分岐接続することなく電源を確保することが可能です。バッテリーからの電源供給は安定した大容量の電気を確保できることがポイントです。
しかし直接バッテリーに接続すると、常に電源が供給される「常時電源」となります。常時電源は、バイクのエンジンを止めてもカメラが起動し続けることとなり、次バイクを起動させたい時にはバッテリーが上がっている状態となってしまうかもしれません。
そこで、バイクのエンジンをかけた時のみ電源が取れるようにできるケーブルがあります。それが次に紹介するリレー付きバッ直ケーブルです。
リレー付きバッ直ケーブル
リレーの役割はスイッチです。バッ直ケーブルと違うのはリレーがつながっている点ですが、リレーをアクセサリー電源(ACC電源)に接続しておくことで、バイクの電源が入っている時だけバッ直で電源確保ができます。
リレーがあると、常時電源でない大容量の電源を確保できるのがポイントです。
必要な作業としては、ACC電源ケーブルにリレー付きバッ直ケーブルを割り込ませる必要があります。
アクセサリー配線から電源を確保するときの注意点
バッ直にしない方法としてはアクセサリー電源から取る方法があります(バッテリーには接続しません)。バッ直に比べて確保できる電源が少ないことに注意が必要です。
LED電球を一つ点灯させる程度であれば問題ありませんが、今回のように前後カメラ2つとも、途中で電源が落ちることなく本体を駆動させるためには安定した電源を確保する必要があります。
ACC電源からのみだとカメラが正常に動かない可能性があるので注意しましょう。
取り付け位置の確保を行う
カメラを配置する際の注意点をまとめました。
フロントサスの沈み込み

フロントにカメラを設置する際は、センターにカメラを取り付けた場合にタイヤが沈み込んだ時にカメラと接触してしまう可能性があります。

ホイールから遠く離れた場所に設置できるのであれば、干渉のトラブルを避けることができるのでオススメです。(地面からの跳ね上げた汚れも多少は少なくなりますね。
広角レンズのため、映り込み注意

ドライブレコーダーは超広角のため、写る範囲がとても広いのが特徴です。そのため、取り付けたカメラの位置によっては、干渉物があり、全体を映せない場合があります。
写真の例だと、ヘルメットの真横にカメラを付けましたが、左側は完全に死角となっています。交通事故の場合は真横で起こる事故(サイドの接触や追突など)があるので、できる限り死角を作らないことが大切です。
ドライブレコーダーを取り付ける
電源ルートと取り付け位置が確保できれば、実際にバイクを例に作業していきます。
配線ルートは既存のメインハーネスに沿って

基本はバイクにすでに通してあるケーブルに添わしてカメラの配線を設置します。これは、既存ケーブルの位置が最も最適に通せるメーカー推奨の場所だからです。
特に注意が必要なのがエンジンの熱です。配線のルートによっては熱で配線がやられてしまう可能性があるためです。
既存ルートに配線を設置するとなると、タンクを取り外したり、写真のようにタンクをずらすことでも取り付けが出来ますが、燃料ホース等が繋がっているので、この方法に抵抗がある方はショップに取り付け依頼をした方が安全です。
BMW:R1200GSに取り付ける
R1200GSに取り付けた際の情報についてまとめました。
自分で作業するとエラーは出る?
私の乗っているR1200GSを含む近年のBMWのバイクはCANバスネットワークシステムによって制御されています。
このシステムがあるが故に、バッテリー電圧を監視しているCANバスネットワークシステムが、後付けアクセサリーが使う電力を漏電と認識し、エラーと認識してしまうようです。
電力の取り方が素人で管理できないので、今回はディーラーに依頼しました。
本体の収納場所

本体はタンデムシート下に収納が可能です。BMWの場合はETCが標準装備なこともあり、こういった機器を収納するスペースは少しは確保されている印象です。
ケーブルの収納場所

本体の収納スペースはあっさり確保できたものの、配線ケーブルの収納スペースはほとんどありません。
特に配線の中継ポイントは少し大きくなっているため、収納が難しいです。ディーラーで配線をしてもらった場合は、バッテリーのきわを通って、コネクタを隙間に差し込んでいました。
配線ルート

配線ルートは写真のラインでフロントカメラとスイッチを引き込んでいます。他にもケーブルが通っているので、同じルートで配線して結束バンドで固定します。
ACC電源のケーブルを接続する

バイクのイグニッションをオンにしたときにカメラが動くように配線作業を行います。
青色の電源ケーブルを車両のイグニッションキーがONのときに12V、OFFの ときに0Vとなる線に接続します。
最後に電源コードをバッテリーに接続する

電源コードを赤と黒をバッテリーに接続します。製品の配線は既にリレー式バッ直ケーブルになっているので、そのまま接続するだけでOKです。
注意すべきは、作業中に不用意に配線がバイク本体と接触し、ショートした場合は製品が壊れてしまいます。そのため、最後にバッテリーと接続するようにします。
ショートに関するイメージはこの動画が実験を踏まえた解説でわかりやすいです。一つ言えることは、配線に関連する作業は慎重に行うべきであるという点です。
カメラの取り付け例
オプションのステーを使った取り付け例です。


ディーラーでつけた場合の費用について
BMWのディーラーで取り付けた場合の工賃をまとめました。
項目 | 金額 |
本体の取り付け・配線作業 | 38,500円 |
専用カメラステー1 | 1,980円 |
専用カメラステー2 | 2,750円 |
まとめ
ドライブレコーダーに必要な電源の確保・取り付け位置の確保・取り付けの作業に必要な作業をご紹介しました。
個人的にバイクにとってはドライブレコーダーは必須のアイテムではありますが、取り付け工賃が高いのがバイクのドラレコの特徴でしょう。
作業自体は慎重な作業が必要ですし、間違った作業は故障の元なので、自分で取り付ける場合は情報をよく理解して行う必要があります。それ以外はバイク屋で取り付ける事を強くおすすめします。
EDR-21G(GPSあり
EDR-21(GPSなし